57Monster.調べ物 ページ26
書庫に行くと、珍しい人物が座っていた
「あ、Aちゃん。君も調べ物？」
本来の姿をしたやまだちゃん
「あれ、その姿って魔力消費するんじゃ…？」
「あぁ、うん。でも、本を読む時はこっちの方が読みやすいんだ」
本に視線を戻しページをめくりながら彼は答えてくれた
「何を読んでるの？」
「禁忌魔法。うらたくん達がやろうとしているものと
2000年くらい前に、いるみのちゃんが使ったものについて」
…いるみのちゃんの使った禁忌魔法
夢で見たものは死者蘇生のようなもの
「おもしろいね。5000年以上生きてる僕でも知らない禁忌魔法がいくつもある」
「やまだちゃんってそんなに生きてたんだ…」
「本来はずっと前に死んでいるけどね
近くにいたうらたくんの使い魔になることで生存を選んだんだ
あのときはまだやり残したことがあったから」
「やり残したこと？」
「あぁ。ねぇ、Aちゃん
僕とセンラくんの種族が存在している理由はなんだと思う？
僕達は1部の禁忌魔法の使用を許可されてるんだけど
今では存在が禁忌だよ」
存在が禁忌…？
質問されたことより、そっちが気になってしまった
「存在が禁忌って…センラさんはどうなるの？」
「彼は特別なんだよ。僕達の種族の中でとても特異な存在でね
さすがに難しいか」
そう言った彼は私に顔を向ける
「僕達種族の正式名称は、魔法使いではなく"黒死神"
禁忌魔法を使った怪物の死刑を執行する種族
坂田くんは白死神で、君のよく知る死神だよ」
死神に白とか黒とかあったんだ…
「なんで魔法使いって言われてるの…？」
「怪物に知られてはいけないから、正体を隠していたのさ
ゴーストの放火は聞いたことある？」
「そういうことがあったって言うのはうらたさんから聞いた」
「そうか。あれの真相はね
僕達黒死神を絶滅させて、禁忌魔法を使えるようにするためだよ」
続く
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作者名：桜沢 彩咲 | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月28日 5時
