イタズラモンスター2nd【u.s.s.s】 (ページ16)

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52Monster.互いを想ってページ16

「うらたさんの昔？」

私の質問に彼は首を傾げた

「悪いんだけど、聞いた事ないなぁ

やまだなら知ってると思うけど、多分話してくれんな…」

「そっか…」

やまだちゃんなら、か

あの子たまにうらたさんから離れてるんだよね…

神出鬼没って感じ

「急にそんなん聞いてどうしたん？」

「なんか…みんなの昔のような夢を見て、少し気になっちゃって」

「俺のも見たん？」

その質問に私は静かに頷いた

「…そうか。辛いもん見したな」

そう言って彼は私の頭を撫でた

えっ、と驚いていると、ふっと笑う

「うらたさんのことは俺ら3人はわかっとらん。教えてくれへん

多分、思い出したくないんだろうな」

…辛い出来事があったのは確定かな

でも、お肉が主食の野良だったことは前に教えてくれたな

元々猫だったのかな

…あのとき、嫌なこと思い出させてしまってなかったかな

でもまぁ表情は変わってなかったし…

「まぁ、あんま考えすぎんな。ハゲんぞ」

「はっ…ハゲるの…？」

ハゲは嫌だ…と思わず頭を抑える

クスクス笑ってそのままどこかへ行ってしまった

…わからない、か

「…みんなの辛いとこ、一緒に背負いたいのにな」

1人の廊下で、小さく呟く

「……背負ってくれるの？」

「えっ？」

驚いた私は後ろを振り向く

壁に寄りかかり、腕組みをしているうらたさんがいた

「…一緒に背負ってくれるの？」

少し表情が見えにくい

でも、声は少し震えていた

「背負いたいと思ってるよ」

少しの沈黙が訪れる

簡単に話せることでもないし

色々考えていると、沈黙を破ったのはうらたさんだった

「じゃあ、少し付き合ってくれる？長くなるけど」