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「みて！うらたさん！珍しいのがいる！」
「ねぇうらたさん、化け猫ってどうして喋れるの？」
「うらたさん！似合ってる？センラさんに作ってもらった！」
「大丈夫だよ、うらたさん。絶対帰ってくるから」
「大好き！うらたさん！」
アイツの声が頭に響く
何度出会っても、ずっとその笑顔を向けてくれる
何度いなくなっても、愛おしい君が頭を占領する
「…くそっ」
こんなに苦しいなら、いっそ出会わなければ
こんなに苦しいなら、愛さなければ
もしも君が、俺らと同じ怪物だったら
不可能だ
俺らは出会う運命だった
君が怪物だったら、俺らは君を愛することはなかった
君は人間で、俺らは怪物
無理だよ、こんなの
神様はいつだって残酷だ
なんで、俺はこんな苦しまないといけないんだ？
「うらた君、深呼吸しよう」
ふと聞こえた声にハッとする
視界が歪み、何かが頬を伝っていることに気づく
「…やまだ」
目の前に、怪物の姿になった使い魔がいた
「うらた君の探していること、彼女達ならなにか知っているかも
聞いてみない？」
彼女達
「…わりぃ、合わせる顔がない」
そんなことを伝えたけど
そう思っていたのは、俺だけだったらしい
39Monster.緑の疑問 ページ1
U
あれから35年
ずっと、穴が空いたような
俺たちは喪失感に襲われていた
ただ、15年前から何かを感じている
Aの魂がどこかにいるような
でも、あまりにも早すぎる
信じられないと思い、俺は書庫でずっと探している
生まれ変わりの速さと、その理由
そんなの書いてるのあるかなーとか疑問に思ったけど
1冊くらいあってもいいだろ
あ、坂田はなにか感じてるかな
てか、3人もなにか感じてるかな
俺だけじゃないよな…？
俺だけだったら焦るな…とか、呑気だなぁ
アイツの声が頭に響く
何度出会っても、ずっとその笑顔を向けてくれる
何度いなくなっても、愛おしい君が頭を占領する
「…くそっ」
こんなに苦しいなら、いっそ出会わなければ
こんなに苦しいなら、愛さなければ
もしも君が、俺らと同じ怪物だったら
不可能だ
俺らは出会う運命だった
君が怪物だったら、俺らは君を愛することはなかった
君は人間で、俺らは怪物
無理だよ、こんなの
神様はいつだって残酷だ
なんで、俺はこんな苦しまないといけないんだ？
「うらた君、深呼吸しよう」
ふと聞こえた声にハッとする
視界が歪み、何かが頬を伝っていることに気づく
「…やまだ」
目の前に、怪物の姿になった使い魔がいた
「うらた君の探していること、彼女達ならなにか知っているかも
聞いてみない？」
彼女達
「…わりぃ、合わせる顔がない」
そんなことを伝えたけど
そう思っていたのは、俺だけだったらしい
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作者名：桜沢 彩咲 | 作者ホームページ：
作成日時：2024年1月28日 5時
