10*思い始めていた。 ページ15
日本side
彼女に色紙を描いてもらって、
その絵を実際に目にした。
漫画家のなかでも特に美しいと
評されるミドー先生の絵。
期待はもちろんしていたが、想像以上の画力
だった。
髪の毛の一本一本、睫毛の一本一本が、
繊細なタッチが、絵に命を吹き込んでいて。
何度見ても、感嘆の溜め息がもれる。
「すごいねぇAちゃん!!俺こんなに
上手く描けないよ!!」
絵が得意なイタリアくんでさえ驚いている。
それもそのはず。Aさんの絵は、
誰より段違いに上手い。天賦の才、と形容
するにふさわしいものだろう。
「……なあ、Aに頼まないか、『アレ』。」
ふとイギリスさんが、小さな声で皆に語りかける。
「……イギリスと同じっていうのはきにくわない
けど、今回ばかりはお兄さんも賛成。」
「俺もだぞ!!A以上の適役はいない
だろうね!!!」
おぉ、あのアメリカさんがまともな
ことを言ってますね……!
他の国々も異論はないようですし……
早速『アレ』を頼みましょうか。
「Aさん……」おや、いない……
「A、さっき帰ったよ。」と、雄介さん。
というか、
「「「えええぇぇぇぇぇ!!!!!!???」」」
いつの間に!!!???
某有名バスケ漫画の主人公のように
ミ〇ディ〇クションが使えるのでしょうか……
はっ、いけないいけない。思考が変な方へ
行ってましたね。
「そんで、どうするん?Aちゃんおらへん
かったら、『アレ』頼めへんやん。」
それもそうですね、どうしましょう……
落胆する一同だったが、ここで救いの手が。
「それなら心配いらないよ、スペインくん♪
俺がAが明日もここに来させる案が
あるんだ!!!!」
なんというお方でしょう、雄介さん!!!
神々しく見えます!!
「では、任せましたよ、雄介さん。」
『アレ』を頼むのは、もうAさん以外
考えられませんから。
、
少し恥ずかしいけれど、私は、
こんなことを、
(思い始めていた。)
私たちとAさんが出会ったのは、
運命なのだと。
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作者名:タスク | 作成日時:2015年2月13日 22時