9*楽しいなって ページ13
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先程書いた色紙に、人が群がった。
口々に絵が上手いと言ってくれる国の化身たち。
喧嘩をしていたイギリスとフランスも殴りあい
を止めて、みんなと一緒に色紙を
覗きこんでいた。
「おまえ、すごいあるーーー!!!」
群がる人たちに気を取られていたので、
不意にかけられた明るい声に少し驚く。
声のした方を見ると、茶色がかったストレート
の長髪を一つに纏めた、中性的でありながらも目鼻立ちの整った男性が立っていた。
好奇心旺盛な瞳でまじまじとこっちを見る。
……中国か。
いや、それにしても美形だ。ほんと綺麗。
だから私の残念な顔を凝視しないで!!!
悲しくなってくるわ!!!
なんでか穴のあくほど見つめられている状況が
こっ恥ずかしかったため、気持ち俯くと、
頭に感じる僅かな重み。
「……?」中国を見上げると、彼の手は私の
頭の上にあって。
頭を撫でられているということに気づくのに
数秒ほど有した。
やさしい手つきで、頭を撫でる彼。
なんだか心地よいけど、むず痒くて、
でも振り払ったら失礼だろうし………。
そう考えていると、頭から重みが消えた。
また彼をみると、恥ずかしそうに顔を赤くし、
「す、すまねぇある!!なんかこう……
小動物みたいで撫でたくなったあるよ……」
いやいや、秀麗なそのお顔を上気させて
唇をとがらせる君のほうが小動物っぽいよ。
それに、
「謝らなくて大丈夫ですよ。なんだか子供の頃に戻った感じがして、心地よかったです。」
あったかい気持ちになれたんだ。
そう言うと中国は、目に涙をいっぱい溜めて、
唇を噛み締めていた。
うん、そうそう。涙を……ってええええ!!!???
どうした中国!!!
なんかマズイことでも言っただろうか。
その心配もつかの間、次は少し乱暴に
ぐしゃぐしゃと頭をかきなでられた。
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作者名：タスク | 作成日時：2015年2月13日 22時
