８話★：私にできることを その１ ページ11
「―――」
突然、佐野が声を上げた。
「…なッ」
彼女のいちばん近くに居た蓮花ちゃんの腕が赤く染まった。
「蓮花ちゃん!?」
腕を押さえて、蓮花ちゃんは佐野と距離をとった。
「琥珀ッ!!」
声の響いた方を見れば、蒼矢が慌てて琥珀のいる４階へ走っていた。
琥珀が、敵襲にあっていた。
「すずさん、蓮花ちゃんの所へ！」
「分かった！」
私も走って蒼矢達のもとへ向かった。
「大丈夫!?」
モブだと思っていた観客と二人は戦っていた。
「多分大丈夫…ッ」
「こいつらすぐ倒すから、皆集めて!」
「分かった!」
一時停戦の知らせを伝えるために、私は４階から飛び降りた。
地面に降り立つ前、何度か佐野がまたマイクに向かって声をだしているのを見た。声自体は然程大きくないから、耳がやられることはないけれど、彼女がマイクを使う度、二人に傷が増えていった。
「すずさん、蓮花ちゃん、一旦引いて!」
二人が返事をする直前、佐野が以前より少し大きな声で叫んだ。
「………ッ!」
咄嗟に、すずさんが蓮花ちゃんの手を掴んだ。
二人の足が地面から離れて、そのまま上へ跳ね上がっていく。当然、その場にいた私も同様、吹き飛ばされた。
超音波かなにか、だろうな…。これを避けてかつ攻撃できるのは多分蓮花ちゃんしかいない。
私達にできることは、蓮花ちゃんがあいつの所へ行くための道を開くこと。
それを皆の共通の考えにしなくてはいけない。
そのためには、先生が全員に伝えるか、すずさんの力で皆に伝達するか、のどちらか。
前者だと佐野にも聞こえるけど、後者なら私達にしかわからない。
…よし、後者だな。
問題はどうやってすずさんに伝えるか、かな。
伝えるまでも無く皆が同じ考えを持てばいいけど、現実は非常とはこのことだな。
そんなことはありえない。誰かが言わないと。
私達はテレパシーは使えない。
走って言いに行くのもできそうにない。多分佐野が仕掛けてくる。
やっぱりすずさんしかいない。
この状況を変えるには、彼女に伝えるしかない。
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鮭植物 - 色々あって、15話加筆しました。 (2018年2月5日 19時) (
レス) id: c73bb7fdfd (このIDを非表示/違反報告)
涙戯＠そこひれ(プロフ) - あけましておめでとうございます、日に日に増えていき楽しくなってきました、今年の黒獏もよろしくお願いいたします (2018年1月1日 18時) (レス) id: 4411fb7380 (このIDを非表示/違反報告)
鮭植物 - 皆様、明けましておめでとうございます。作者陣の都合もあり、更新は昨年に引き続き亀のようにゆっくりになるとは思いますが、今年も黒獏を宜しくお願い致します。 (2018年1月1日 14時) (レス) id: 069861b6b5 (このIDを非表示/違反報告)
沫斗＠noir(プロフ) - コメント欄かなしい、、、、 (2017年10月26日 20時) (レス) id: 4411fb7380 (このIDを非表示/違反報告)
Alyssum - MFさん» ドンマイ (2017年8月7日 15時) (レス) id: bc44d2c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そこひれ＠そこの引き出しレタス x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2017年5月28日 18時
