特別捜査班はバイオリンを愛す (ページ5)

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５　骨折の嘘吐きページ5

「な、なんなんだ…あいつ」
　「変な奴ですよね。あんな態度だから送り込まれたんでしょうねえー…特別捜査班」
今の声は…聞いてないことにしよう…
私の事情も知らない…お前らの嫌味の口癖なんて…もう聞き飽きた

はい、また受付にきました。なぜなら、ミネラルさんは何でも知ってるから。
　「あれ？戻るの早いね。聞くことなかったの？」
　「はい、そうです。だから第一事件について知ってる人に話を伺いたくて…」
　「はぁー…じゃぁちょっとまっててね。」
おぉーさすがはミネラルさん…行動が早い。
　「えーっとね。実は私もちょこっと頼まれててね。第一事件の人物に調べもので。
　それで…これなんだけど」
ペラ
　「殺された被害者の名前は…何て読むんですか？」
　「紗鯉流磨(ｻｺｲﾘｭｳﾏ)っていうの。元バイオリンを作製する人」
ん…？まてよ。バイオリン…？じゃぁもしかして…あの糸は…
　「この人に関わっている人物は？」
　「えーっと。河﨑勇ってひと…」
　「」
驚きと恐怖が脳内を埋め尽くす
　「…あと。東山長之介(ﾋｶﾞｼﾔﾏﾁｮｳﾉｽｹ)ってひと」
　「…体の状態は…？」
　「河﨑は片腕を骨折中ですがまだ治っていないそうだよ…東山はなにもないみたいでも、前に料理をして手をすったそうよ」
つまり犯人はこの二人のどちらか…
でも

いっそ知らない方が。よかったかも

　ピリリリリリ…ガチャ

　『はい、河﨑です。』
　「勇…あたしだけど」
　『Aちゃん…？どうしたの？』
良く平然としゃべってられるな…あんたの知り合いが死んだってのに
　「…ばーか、勇のばぁーかばかばかばか…いさなんて大っ嫌い、許してやんね。一生」
　『えっ!?僕なんか悪いことした!?そんなにいやな思いさせたんなら…ごめん…』
　「…ちがうよ。勇をからかっただけ…冗談だよ」
　『…？どうしたの？本当に。Aちゃんらしくないよ…』
　「…あんた。紗鯉流磨がどうなったか知ってる…？」
　『え…知らないけど。てかなんで師匠の名前知ってんの？』
ほんとに馬鹿だ。単純だ、そんな奴に。人殺しなんてできっこない。
でも、知らないふりをしてるだけかもしれない。
　「あんたの師匠…バイオリンの弦でしめ殺されたんだよ…」