〜拝啓 私の愛する霞のあなたへ〜

ね ページ10

無一郎君、ついに鬼舞辻無惨を倒したよ。

顎を斬ることは叶わなかったけど、日のおかげで無惨を倒せた。

柱のみんなは･･･胡蝶さんは堂磨に、甘露寺さん、伊黒さん、悲鳴嶼さんは無惨に殺された。

冨岡さんと不死川さん、宇髄さんの三人はなんとか生き延びれたよ。

私はみんなの役に立てたのかな？

私は無惨に両目をつぶされて、耳も裂かれた。

それに、左腕は肘までしかもうなくなっちゃった。

これでもまだいい方。

私が肩から心臓まで裂かれそうになった時、伊黒さんがかばってくれたから。

それじゃあ、わたしが伊黒さんを殺しちゃったのかな。

でもさ、無一郎とつないだ思い出の左手がもうないなんて、悲しすぎるよ。

それに、無惨を倒したら告白しようと思ってたけど、こんな姿じゃできないよね。

でももう大丈夫。

すぐに無一郎のところに逝くから。

そうして地上から足を離そうとした時、いきなり私の頭にコツンって何かが当たった。

死ぬ間際まで私ってドジなんだね。

それは私の足元に落ちた。

ねえ、なんだと思う？

それは･･･懐かしい紙飛行機だった。

それも、なぜか赤い。

ただの紙飛行機なんて、無視すればよかったにに、なぜかできなくて、その紙飛行機に引き寄せられて、紙飛行機を開いてみて。

ねえ、中身は何だったと思う？

「Aへ
　今Aがこれを読んでいるってことは、僕は何かしらの理由で死んだってことだね。
　そうじゃなかったら、こんなの恥ずかしすぎて、見せてないもん。
　それじゃあ、これからどうしても伝えたかったことを伝えるね。
　一つ目、何事にもあきらめないこと。二つ目、いつでも幸せでいること･･･」
「六つ目、信じることのできる仲間を大切に。あと･･･これは本当に必要になるかもわからないし、Aのためには絶対にならないことだけど、どうしてもこれだけは前から伝えたかった。
　僕はAのことが好きです。僕は、ずっとずっとAのことが好きだった。だけど、断ら
　れるのが怖くて言えなかった。直接言えなくて、ごめん。それともう一つ、絶対にAは死な
　ないでね。絶対にダメだからね。そんなことしたら、絶交するからね。僕は気長に待っ
　てるから。残りに人生、僕の分まで楽しんでね。これで僕の伝えたいことは終わり。それじゃあ、
　また会える時を楽しみにしてるね。 時透無一郎」



つい短刀を捨てちゃった。





無一郎、有言実行して、気長に待っててね。

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