いつかこの涙が＿west.3

＊ ページ27

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藤井side





A「…ん、？」

流星「一緒に行こうや。俺準備するからちょっと待ってくれる？」






楽屋からステージ裏にみんなで移動する。

望と先に行こうとしてる彼女を引き止めてでも、俺はAに確認したいことがあった。




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流星「ごめんお待たせ、…行こか、」

A「…うん、」



Aと2人、最後に楽屋を出て廊下を歩く。

何か変に緊張するけど、でも、ここで聞くしかなかった。









流星「…なぁ、なんの夢見てたん。ほんとは覚えてるんやろ？」

A「…え、？っ、だから。…覚えてないって。笑」





さっきの。Aの様子が変だったから。
起きたAに皆が何の夢見てたのか聞いてた。


…答えは覚えてないの一点張り。

でも、そのときにやってたある仕草で
俺はこいつが嘘ついてるってことに気づくことが出来た。





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流星「無意識かもやけど。…答える前に1回深呼吸してたで、」

A「…っ、！」






それは約3週間前。Aが入院してる間。

もっちゃんが俺のドラマの現場にマネージャーとして付いてくれる日があった。


そこでいろいろ話す機会があって。役者としてのAの様子やお芝居するときの癖について教えてくれた。




そこで聞いた。

"Aは役に入るために、自分を1度押し殺すためにお芝居の直前に深呼吸することが多い"と。





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流星「…なに隠してん。みんなに言われへんもん1人で抱えてるほうがしんどいやろ。」


ステージに向かう歩みは止めない。
前だけ見て、お互いにどんな顔してるのかは見なかった。







A「…流星ってこういうとき優しいから嫌い、」

流星「お前。褒めるんかディスんのかどっちかにしろや、笑」







ちょっとだけ笑ってくれた。

すれ違うスタッフさんに挨拶しながら、ファンの子の声を遠くに聞きながら、


Aは普通に、ほんとに何気なく話し出した。






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A「LIVE見てた。多分、このツアーのオーラス。」



流星「…オーラス？広島？」



A「そう、広島。…すごい盛り上がってた」



流星「…ん、ええことやん。何があかんの？」



A「上から見てたの。」



流星「…え？」








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"LIVE。自分達のなのに私ずっと上から見てた。"









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流星「…それって、」








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"…私、ステージに立ってなかった。"






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