逝ってきます。～あの日彼は何を思ったのか～【太平洋戦争】 (ページ6)

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「そうか。嬉しいぞ！弟が出来た気分だ」
彼はそういって嬉しそうに笑いました。
私より年上の方でしたが可愛いと思いました。
おっと、今のは気にしないでください。

そして彼と色々な話をしました。
内容ですか。そうですね。家族のことなどを聞きましたよ。彼は奥さんが大好きだったみたいです。
写真を見させて頂いた事があるんですが美しい方でしたね。
彼にお似合いの方だと思いました。

イケメンでしたよ。彼は性格も顔も。
しばらく話していると一人の船員がやって来ました。

[中井大尉！攻撃を開始するとの事！こちらへ来てください！]

「わかった。今行く。」
中井大尉はそう言って私にハンドサインで"すまない"とやり攻撃に行きました。

船員全員が戦果を聞くのを待っていました。

攻撃に行った者が帰ってきました。しかし29機が未帰還でした。私は中井大尉に話を聞きにいこうとしました。しかし彼は大尉です。私とは違うのです。

彼は私に気づいたのか”おいで”と合図しました。私はさっきと同じところに行きました。

『今回の戦果はどうでしたか？』

「あぁ。敵艦は火だるまになって沈んでいったぞ」

私はとても嬉しくなりました。不思議ですよね。攻撃前は悔しい、羨ましいと思っていたのに。

彼は嬉しそうに続けるので私も夢中になって話を聞いていました。
中井大尉は詳しく、丁寧に身振り手振りで教えてくれました。

私も戦ってきたような感じがしました。