金子の記憶 壱 ページ5
『』→語る人物(金子)
「」→中井
[]→同期
＜＞→上官
基本これで行きます
日本はアメリカに宣戦布告し、真珠湾を攻撃する作戦を実行しました。
それが1941年12月8日の事です。
私は昔から航空隊員になりたいと思っていました。
なぜ、ですか。
憧れていました。大空を自由に駆ける戦闘機に乗ってみたいと。自由に駆ける航空機がかっこよくて。自分も操縦したいと思ったのです。
自分は裕福な方でした。私は男三人兄弟の末っ子でした。
父は帝国海軍軍人で時間に厳しい人でした。
長男は陸軍軍人で、次男は病弱で戦場に行くことはできませんでした。
私は航空隊員になるため毎日必死に訓練しました。筋肉を鍛えたり、軍人としての知識を叩き込みました。
おかげで学校では一番喧嘩に強い子になりました。
えぇ。私は昔からヤンチャで。よく喧嘩をしていました。
そして夢は叶いました。私は帝国海軍航空隊に入る事ができたのです。
航空隊は人気で入る事ができるのは本当に少しでした。
私は昔から勉強をしていたので入れたのでしょう。努力は大切ですよ。
そして私は真珠湾攻撃に参加することになりました。
しかし、私は戦艦に攻撃することができませんでした。私の名前はなかったのです。膝から崩れ落ちそうでした。
中には膝から崩れ落ち、泣いている者もいましたね。
上官に懇願する者も見ました。
私はぼんやりと海を眺め、甲板に座っていました。
すると声を掛けられたのです。
「隣、失礼する。」
中井大尉でした。
中井大尉は軍で一番の腕を持っていると噂で聞いていました。彼は私の憧れの人物でした。
憧れの人が目の前にいるのです。私は緊張していました。
『は、はい。』
「ん？はは。そんなに緊張しないでいいぞ？」
上官は怖い人ばかりでしたし、下士官に威張る人が多かったので。しかも彼は海軍一の腕ですよ？
驚きましたよ。
「今回の作戦についてどう思う？」
急に聞かれました。私は素晴らしいと即答できませんでした。自分の名前がなかったのが悔しくて。
『…素晴らしいと思います。我々なら、大勝利できるでしょう。』
「うむ。頭が良いな。名前は？」
『金子幸吉です。』
「そうか。金子くん君はいくつだ？」
『………。17であります！』
「若いな。今度訓練しないか？」
『え、ありがとうございます！』
私は訓練のお誘いを受けたのが嬉しくて。攻撃に参加できない悔しさなど忘れました。
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作者名：ただのオタク学生 | 作成日時：2022年3月13日 0時
