元帝国海軍少尉 ページ4
俺らはじいちゃんの事を知っているという元帝国海軍小尉の金子幸吉という人物に会いに行った。
姉と一緒に神奈川へ向かっている。
言われた場所に来た。普通の家である。
ピンポーン
インターホンを鳴らすと中から細身の老人が出てきた。優しそうな人物だが、目は鋭く幾つもの修羅場を乗り越えてきたのだとわかる。
『斎藤清志です。中井Aの孫です。』
[斎藤佳代です。中井Aの孫です。本日は貴重なお話をしていただけると聞き東京から来ました。]
「金子幸吉です。まさか中井小佐のお孫さんに会えるとは…嬉しいです。」
そう言って金子は少し悲しそうな笑みを浮かべた。
「中井小佐の事はよく覚えています。彼はその時はまだ大尉でした。」
『祖父はどんな人でしたか。』
「優しいお兄さんという感じですかね。」
[お兄さん?]
「えぇ。彼はその時21歳でした。私達は16、7歳が多かったので20歳を越えていた人は少なかったんですよ。」
16歳で戦場に……。俺は恐ろしい時代ですね。と言おうとして止めた。
彼に言わなくてもいい気がしたのだ。
恐ろしい時代だった。というのは当たり前だっただろう。
[祖父との出会いはどこで?]
「あれは1941年の事でした。中井小佐とは真珠湾攻撃の際に出会いました。」
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作者名:ただのオタク学生 | 作成日時:2022年3月13日 0時