メゾン・ド・原石 (ページ8)

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「なーに考えてんの？」

「っ！？」

ついぼーっと考えていると突然声を掛けられ、勿論俺は一人だと思っていたからそれはそれは驚いて、声も出せずに反射的に声のした方を向いてみると、そこにはいつの間に入ったのだろうか、やはり一人用にしては大きすぎるソファで寛いでいる大我が居た。

「びっくりし過ぎでしょ」

「いやするだろ！何でお前いんの？」

ラウンジから持ってきたのか紅茶が入ったマグカップに口をつけ微笑む。

「高地の部屋見に来たの、過ごしやすいかどうか」

「なに、居座るの？」

「うん、居座ってやってもよさそう」

「何で上からなんだよ」

不思議な人だ。
荷解きを手伝うわけでもなく、かといって邪魔するわけでもなく。
本当にただ居るだけ。

「本当に何しに来たの？寛ぐなら自分の部屋の方がリラックス出来るでしょ」

大我はついにソファに寝そべり出しグッと伸びをした。

「仕方ないよ、そういう習性だから」

引っかかる言い方に首を傾げるが一つだけ思い当たる節がある。

「それって先祖返りと関係してる？」

先祖返り。
先祖が過去に妖怪と交わり、その妖怪の血を濃く受け継いで生まれてくる者たちをそう呼ぶ。
簡単に言うと人間と妖怪のハーフ。