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「あれ、皆居るじゃん」

「きょも!」

部屋に篭もりがちな彼に慎太郎が駆け寄る。

「俺ね今日からSSなんだよ!」

自慢気に話す慎太郎の後ろで「また知らない人だ」と呟く高地に目を向けた京本は一歩前に出た。

「へぇ、新しい住人?俺、京本大我」

「こいつ高地」

「おい他己紹介やめろ!高地優吾です、よろしく!」

俺に恥ずかしい思いをさせたお返しに先に名前を言ってやった、ざまぁみやがれ。

「北斗がこんなに早く打ち解けるなんて珍しいね」

「高地と北斗は幼馴染なんだって!」

「そうなの?」

ふむ、と高地をまじまじと見つめる京本。
それなりに長い付き合いだと思うが彼の思考は未だに読めない。
独特な世界を持っている人だから、此方から安易に足を踏み入れて良いものかいつも迷ってしまう。
それが周りからは不仲に見えてしまうらしい。

「北斗はね、俺のSSなの」

だからこうして突然距離を詰められると言葉が何も出なくなってしまうんだ。
でも今日は違った。

「大我のSS北斗なの?え、大丈夫?こいつ意外と甘えん坊だから、しつこくされたりしてない?」

「ちょっ高地!何言ってんだよそんな事してないって!」

「北斗って甘えん坊なんだ、知らなかった」

「京本!?真に受けんなよ、俺普通だから!」

いつもなら静まり返っていた場面。
それを高地は壊してしまった。
昔からそうだ、彼は場の空気をがらりと変えてしまう。
俺の自慢の友達。
そんな彼とこれからは同じマンションで暮らすなんて、不安と期待で胸がいっぱいだ。

我ら先祖返り→←5



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作者名:やた | 作成日時:2022年2月3日 1時

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