メゾン・ド・原石 (ページ46)

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なんて考えていたら此方に近づいてくる二人分の足音が聞こえてきた。

「こーちぃぃぶへっ！」

足音の正体はジェシーと樹で、ジェシーが高地に抱きつこうとするものだから、咄嗟に壁を張って阻止する。

「もう！慎太郎邪魔しないで！」

「邪魔しようとしてるのジェシーでしょ！今ご飯食べてるじゃん！」

ジェシーのスキンシップは日に日に激しくなっていて、俺が高地から離れられない理由の一つでもある。
何より本人に危機感が無い。
今も隣でキョトンとした顔をしているから困ったものだ。

「んで、何の話してたの？」

ストローにタピオカを通しながら樹が北斗に寄りかかる。
あれは良いのかとジェシーが見つめてきたけれど俺は高地のSSだから関係ない。

「慎太郎が過保護って話」

「あぁ分かる。過保護っていうかご主人様取られたくない犬って感じ」

「あははっ！慎太郎犬だってぇ」

「もう高地笑わないでよ！俺犬じゃないもん！」

だってさ、仕方ない。
過保護と言われようと犬と言われようと、あの日からずっと俺は彼を守る為に存在しているのだから。