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自由 ページ27

※モブが深く関わってきます。

−ジェシー−

高地が好き。
この気持ちに気づいたのは割と早かった。
彼の笑顔を見ると心が弾む。
誰かと話している所を見ると胸が痛む。
きっと初めて出会ったあの日から、俺は高地に恋しているんだ。

勿論最初は戸惑った。
だって年上だし、そもそも男だし。
それに俺は恋心なんてものは疾うに捨てたと思っていたから尚更。

「なぁ高地、いつ女の子になってくれんの?」

「だからならないって言ってんじゃん、執拗いよ」

「樹やめなさい!嫌がってるでしょ!」

高地の肩に腕を回しピッタリとくっつく樹と、そんな彼から高地を守ろうとしている慎太郎。
二人は誰とでも距離が近い。
近いのだけれど、高地と居る時は何か違う気がする。
特に樹。
甘えているのは分かるのだが、大我と居る時とは甘え方が違うのだ。
遠慮が無いというか、全体重をかけているというか。

そんな樹を執拗いと言いながらもケラケラ笑い受け入れる高地は狡い。
だって全く邪気を感じないから。
いっそ小悪魔の様に狙って人を惹き寄せていてくれたのならどれだけ楽であっただろうか。
この黒いモヤモヤを消すために無理矢理手を引き唇を奪い束縛できたのに。
まるで子供のような姿の彼にそれらが出来ない俺は、きっとまだあの人に囚われたままなのだ。
俺の時間を止めてしまったあの人に。

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作者名:やた | 作成日時:2022年2月3日 1時

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