秘書はいったい、なぜ？

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『 副会長、質問事項です 』








あらかじめ作っておいた質問事項の書かれた紙を渡す。









登坂 「 ....田中姫香さんは採用されたら、田中秘書？田中姫香？ 」







そんな質問作ってない。




　

　
　
　
　







姫香 「 田中姫香秘書です！田中秘書であり、田中姫香です！ 」









登坂 「 五十嵐秘書も質問を 」









『 はい....秘書のあるべき姿とは、なんだと思いますか？ 』







姫香 「 上司をわが子のように...









登坂 「 完全無欠な上司に仕える気分はどうだと？ 」









姫香 「 あ〜、わくわくします！ 」









私への当てつけ？









『 じゃあ、完全無欠な上司を100％満足させられますか？ 』








姫香 「 あぁ、難しいですね 」








登坂 「 一身上の都合で辞めない責任感はある？ 」








姫香 「 はい！会社に骨を埋(うず)めます！ 」








『 はは、本当に埋めるかも 』








姫香 「 えっ、激務なんですか？ 」








登坂 「 報酬は国内最高レベルだ 」








『 田中姫香は消えて田中秘書だけ残ります 』








登坂 「 今まで働いた時間は人生に入らない？ 」









『 ...... 』









姫香 「 頑張ります！ 」







登坂 「 合格！ 」







姫香 「 本当に！？ 」

　

　
　


登坂 「 吉野！田中姫香さんを案内しろ、新しい秘書だ 」






北人 「 はい！ 」






登坂 「 引継ぎして君のクローンを作れ 」









そう私に向かって言う








『 はい 』









田中姫香さんは案内され部屋を出ていく



私も部屋を出ようとする





　






　









登坂 「 待て 」









その言葉に私は足を止めて副会長の方を向く。



　









　




登坂 「 自分の人生を歩むってどういう意味だよ 」








『 これからは自分の時間を持ちたいし、それに... 』








登坂 「 それに？ 」








『 それに、もう29歳ですから恋愛をして結婚もしないと 』









登坂 「 .....なに？ 」





























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