4章 12-KENJIRO YAMASHITA- ページ49
全てを俺たちに話し終えた後、亜嵐に連れられてAはすぐに部屋を出た。
...そんなことが、裏で起こっていたなんて。
あんなに、辛い顔して話してるAの顔からどれだけ辛いことであるのかがわかる。
幼い子の元から突然、両親が消えたんだ。
「なんかほんと...俺らなんやってん...。」
情けなさで眠れなくて、S.S.C.の屋上に向かい足を感情もなく動かした。たぶん、綺麗な星でも、眺められればいいと思ったんだろう。
「あー、ダメや俺。らしくない。」
屋上に踏み出すと同時に発した声に振り向く人影。
...なんでやろな、なんかわかってしまう。
それが、誰なのか。
ハッとした様子でこの場から立ち去ろうと早足でエレベーターに向かってくるのは、A。
なあ、なんでそんなに静かに...
「...待ってや!!」
思わず手を掴んで、引き止めてしまった。
ゆっくりと振り向くAの表情は、街の灯りに照らされて輝いている。
なあ、なんでそんなに静かに...
なんで、そんなに強く.....
A「...なんでしょう、健二郎さん。ごめんなさい、もし御用ががないのであれば...」
「今離したら、どこ行ってまうん?」
A「いや、部屋に...」
「そうやなくて、Aの本当の気持ち...今聞かんかったら、絶対後悔する。」
ハッとした顔で、哀しそうな顔で俺を見つめるA。
それがもし、今まで人に頼ることを許されずに生きてきたAの心を表しているのなら
...その心を、俺に溶かさせて。
「まだ隠し事、しとるんやろ?」
.
なんでそんな綺麗に、気持ちを消そうとするん?
4章 13-KENJIRO YAMASHITA-→←4章 11 -HIROOMI TOSAKA-
921人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なす(プロフ) - 林檎。さん» 長らくお待たせして申し訳ございません...。そう言ってくださる方がいると思うだけで大きな励みになります、ありがとうございます! (2016年11月12日 20時) (レス) id: 37707962b3 (このIDを非表示/違反報告)
なす(プロフ) - もちさん» ありがとうございます!更新遅れて申し訳ありませんでした...。 (2016年11月12日 20時) (レス) id: 37707962b3 (このIDを非表示/違反報告)
林檎。(プロフ) - 更新お待ちしてました!これからもご自分のペースで頑張って下さい! (2016年11月8日 21時) (レス) id: 53916f0827 (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - 更新ありがとうございます!面白くて大好きです! (2016年11月8日 18時) (レス) id: f62c4bc716 (このIDを非表示/違反報告)
林檎。(プロフ) - 更新楽しみにしておりました!今後の展開期待です! (2016年7月31日 21時) (レス) id: 53916f0827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なす | 作成日時:2016年3月29日 13時