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中村との帰り道、ファストフード店に寄ってセットでハンバーガーを頼んだ中村から、ポテト分けてもらって頬張りながらInstagramを開いた。


元太くんのアイコンの周りが光っていて、何か投稿されていることを知らせている。


タップして開くと、サッカー部のみんなで練習終わりにお菓子を食べている動画。


そこには、宮近くんと美希先輩もいる。





『……楽しそう』


「何が?」





私がボソッと呟いた言葉に、大きな口を開けてハンバーガーを頬張って、頬を膨らませている中村が顔を上げる。





『サッカー部、楽しそうだなって思って』


「入ればいいじゃん。マネージャーとして」


『それはちょっと……』





あからさまに嫌な顔をしてしまったからか、中村は呆れた顔で私を見る。





「何が嫌なの?」


『宮近くんの好きな人、何となく分かっちゃった気がしたから』


「あぁ、美希先輩?」




中村からその名前を聞くと思わなくて驚いたものの、宮近くんとは私よりも色々と話している仲だとはわかっているから





『……やっぱり、そうなんだ』





だからこそ、やっぱり宮近くんは美希先輩が好きなんだと分かってしまって辛い。





「ふたりのこと見たくないからサッカー部入んないの?」


『うん。自ら傷つきに行く事ないなって思って』


「でも、その分 海斗へのアプローチの機会減るよ」


『そんなの、わかってるもん』





中村の意地悪。


わかってることばかり言わないでよ。


宮近くんが好きだけど、アプローチ出来ないから距離をなかなか縮められない。




……ん?


そういえば私、中村に宮近くんが好きだって話はしていないはず。


海斗にしか、していない。





『私、中村に宮近くんについて話した?』


「いや?でもお前海斗の好きな人が分かったとか普通に喋るし、俺もわかってるし」


『はぁ、最悪』


「なんでだよ。別に俺にも話してくれたっていいじゃん。いつも一緒にいるんだし」


『だって、中村はバカにしてきそうだもん』


「しねぇよ。そこまで意地悪じゃねぇし」


『……』





いつも私と言い合ってるのは、意地悪だからじゃん。


ムカつくこと言ってくるからでしょ?

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作者名:愛生 | 作成日時:2024年1月21日 2時

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