いつか恋が実るなら。#2 (ページ17)

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『久しぶり。うちの高校だったんだね』

「引っ越した家がこの高校から近くてさ！ちゃかとは中学校一緒だったし」

『そうだったんだ』

こんな形で再会するなんて思わなかった。

嬉しいな、また仲良くできるかな？

「マネージャー、やってくれるの？」

ずっと、目をキラキラと輝かせて私を見つめてくる。

小さい頃から、人懐っこい子犬のようなげんちゃん。

『それは……』

そんな彼を前に断るのは申し訳なくて、返しに困っていると、スポーツドリンクを作り終えた様子の美希先輩は私の隣に来た。

「こら！元太くん、強要しないの。練習戻って！」

そう言って、げんちゃんを叱る。

「はい！美希先輩すいません！」

反省しているのか分からないけれど、元気に返事をしたげんちゃんは直ぐに練習に戻って行った。

美希先輩って優しいだけじゃなくて、ちゃんと部員の管理もするんだ。

「海斗くんと元太くんが懐いているなら、Aちゃんはとても良い子なんだね」

『いえ、そんなことは……』

美希先輩の方が、少ししか話していなくてもとてもいい人なんだろうなと伝わってくるよ。

『あの、何か私に出来ることってありますか？』

そんな先輩が隣でひとりで動いているのに、私が何もしないのはやっぱり気が引けた。

「じゃあ、今やってる練習終わったらみんな一度こっちに来るから、ドリンクとタオル渡してもらってもいいかな？」

『わかりました』

「見学なのにごめんね、手伝ってもらっちゃって」

『いいえ。是非やらせてください』

宮近くんを見ながら、練習が終わるのを待つ。

部長らしき先輩が休憩と声をかけると、みんな一斉にベンチに向かってくる。

部員たちにそれぞれ配って、宮近くんを探すと、彼は美希先輩のもとにまっしぐらだった。