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「あっ、村上くんから返信来とるで!」
錦戸がふいに安田のスマホ画面を覗いたときに丁度ロック画面に『信ちゃん♡』と表示された。
「『そんなことないで。俺は自分で言うんもなんやけど、しっかりしてる方なんやから、そんなうっかりさんやないぞ!』って…。」
「無理してるんバレバレやでそれ。」
大倉が真剣な顔で言う。
「…分かってるよそんなんは…けど、そうやなくて、俺が聞きたいんは…「隣に祐ちんがいるかどうか、やろ?」
丸山が安田の空いてる左手にそっと自身の右手を上から重ね、次に力強く握った。
「優しいだけや、ダメやで。
たまには鬼にもならんと。」
「マル…分かった。」
3人が心配そうに安田のスマホ画面を見つめる。
『信ちゃん、さっき隣に本当は、横ちょいたりした?』
1分後既読がつき、
『おったよ。』
安田はすぐさま文字を打つ。
『何されたん!?』
また数分後。
『キスされた。
けど、すぐ突き放した。』
村上の返事は終始、単的でどことなく、安田を突き放すような文だった。
『なんで?危なかったら、電話でもなんでもすぐしてって言うたやん?』
『ヤスを悲しませたくなかった。
すまん。』
「…信ちゃんアホやろ…」
大倉が頭を抱える。
「ヤスの面目立たんよこれじゃ…」
丸山が呟く。
「なんか言ってやれや章ちゃん!
恋人やったら、ガツ「分かっとるよ!!でも…でも…」
錦戸の怒鳴りに安田はいきなり錦戸の胸ぐらをつかみ、叫んだ。
目には涙が。
「…すいませんが、着きました。」
マネージャーが申し訳なさそうに4人に言った。
「あと…村上さんはああ見えて、意地っ張りです。だから、1回ひっぱ叩いてでも言ってあげないとどれだけ自分が大切な存在か分からないですよ。」
そう、四人に向かって苦笑いしながらマネージャーは運転席から降りた。
「章ちゃん負けてるで…」
「LINEすんのやめた…後で直接信ちゃんに会うわ。」
「あの人に今度から迎えに来てもらお…」
「抜け駆けやめろやマルちゃん。」
夢の国の入口で全く場にそぐわない決心と考えをした4人であった。
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夢香(プロフ) - すごく続き気になります!お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください!楽しみにしてます (2018年2月4日 1時) (レス) id: dbf0f991b5 (このIDを非表示/違反報告)
雛らびゅ - うわぁぁ、ヨコ怖い笑でもそんなドロドロ話、楽しみにしてます(●´ω`●) (2017年8月3日 0時) (レス) id: aa234cba68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき | 作成日時:2017年8月3日 0時