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「…なんやヒナ、上機嫌やなぁ?可愛い顔して?」
「………ヨコ。」
とっさに村上の顔が曇る。
同時に青白くなり、冷や汗をかき始める。
「LINEしてんの、ヤスやろ?」
「そうやけど…したら悪いん?」
村上は恐怖を押し殺し、睨みつけながら、横山を上目遣いにみた。
「悪ないけど…てか、そんな睨んでも可愛いだけやから、やめときやめとき。」
「っ……」
横山は村上との距離を縮め、壁に追い詰める。
残念ながら渋谷は先に向かっていって村上のこの状況に気づくはずもない。
「なぁ〜ヒナぁ〜?
ヤスとはもうヤッたん?」
「そんなん、ヨコには関係ないや…うぐっ!!「我慢してたけどなぁ!!…2人の時は俺のこと、ヨコ、やないやろ?」
村上の顔を横山は白い手で乱暴に片手で掴む。
「き…み…っ…ぐっ……」
「偉い偉い。
そんなヒナちゃんにはご褒美やで?」
ニヤリと笑い、村上を壁に押さえつけると、
「ふっ…んっ…っ…」
「あっまい…なぁ…はぁ…っ…ヒナの…口ん…っ…中…」
深いキスをする。
舌を巧みに滑り込ませ、いとも容易く村上の舌を絡み取る。
涙ぐみながら横山の背中を叩く村上をものともせず、さらに深く深く、村上の口の中を侵略する。
いつしか、村上の思考も横山一色になり、キスは更にヒートアップする。
村上の腰が全く立たなくなり、横山が片手で支え始めた頃、やっと横山は村上の口からちゅっぱっと、いやらしい音を立てて離した。
時間にして約3分。
二人の口からはどちらかも分からない唾液が垂れ、糸を引いた。
「やっぱ、ヒナはおれが一番可愛いく出来るわな…」
「はぁ…はぁ…何を言うとるんや…大…バカ野…郎…が…!」
「馬鹿やないで?事実や。現に途中からヒナ、流されたやろ?」
「……。」
図星だった。
沈黙は何よりも真実を穏便に語る。
「まぁ…ヤスより俺や思ったら、いつでもおいでや?可愛いくしたるから。」
村上を抱いていた手を離し、額に触れるだけのキスを落とすと、横山は颯爽と何も無かったかのように現場に向かっていった。
「こんなん…ヤスに云えるかアホ…。」
小さな小さな涙声が、
人のいない廊下に響いた。
LINEの画面は開いたままだった。
『鈍感やで信ちゃんは。
だって、仕事以外の事は良い事もやけど、
悪い事にも気付かへんから。』
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夢香(プロフ) - すごく続き気になります!お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください!楽しみにしてます (2018年2月4日 1時) (レス) id: dbf0f991b5 (このIDを非表示/違反報告)
雛らびゅ - うわぁぁ、ヨコ怖い笑でもそんなドロドロ話、楽しみにしてます(●´ω`●) (2017年8月3日 0時) (レス) id: aa234cba68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき | 作成日時:2017年8月3日 0時