揺れ動き ページ22
村上side
たまたま、ヤス達と遭遇して、なんやロケなのに結局メイキングみたいな素の雰囲気が出て、それはそれで楽しいなと思っとったんやけど、
ヤスの目を見た瞬間、身が凍りついた。
怖い。
あんな目をするヤスなんか見たことなかった。
ヨコを見つめる視線に全く情とか感情が見当たらない。
まるで、氷や。
無意識に俺はいつの間にか、ヨコの背中に隠れてた。
｢ヒナ？ど、どうしたん！？｣
｢…しばらく、こうさせてくれ。｣
俺の雰囲気に、ヨコも何かを察してくれたのか、
｢…分かった。訳は聞かんから。｣
ヨコはやっぱり優しいし、頼りになるなと思った。
けど、あんまりにも俺がヨコにくっついていた時間が長かったせいか、スタッフやらマネやらがあたふたし始めて、撮影が一旦中止になってしもうた。
あっ、迷惑かけてもうたと思って、走りよってきたスタッフに謝ろうとしたら、
｢すんません、止めてもうて。
けど、しばらくだけは村上さんを休憩させてもらえませんか。｣
ヨコが俺の目の前で頭をスタッフに下げた。
そして、スタッフが持っていた高橋さんに繋がってる電話に出て、そっちでも謝っていた。
俺はその光景をただ、眺めていた。
ヨコの服の裾を掴みながら。
多分、無意識に手は震えてたんやと思う。
話がついたのか、俺の方へヨコが視線を戻した。
｢ヒナ、大丈夫か？とりあえず時間は貰ったけどどないする？…側にいた方がえぇ？｣
…あぁ、無理や。
そんな優しい目で見んといて…。
そんな目で見られたら俺、
｢信ちゃ…信五。どうしたん？｣
ヤスが駆け寄って来た。撮影が中断したのに気付いたのか、心配そうな目で俺を見ていた。さっき、ヨコに向けた目線とは大違いやった。
｢ヤス…。すまん…ロケ止めてしもうて。｣
｢そんなん気にせんくてえぇよ？
ただ、理由を話してや。どうしたん？｣
言わないべきか否、言うべきか。
けど、この思いを言わないときっと、傷つける人間が増えるだけや。
ごめんな、ヤス。
ヨコ、聞かなかったフリをしてや。
｢…ヤスが、ヨコより怖く見えてしもうた。｣
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夢香(プロフ) - すごく続き気になります！お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！楽しみにしてます (2018年2月4日 1時) (
レス) id: dbf0f991b5 (このIDを非表示/違反報告)
雛らびゅ - うわぁぁ、ヨコ怖い笑でもそんなドロドロ話、楽しみにしてます(●´ω｀●) (2017年8月3日 0時) (レス) id: aa234cba68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いつき | 作成日時：2017年8月3日 0時
