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北「こんにちはー」
『いらっしゃいませ〜、って北人くんと樹…くん?』
「こん、にちは」
北「本当はもう一人居たんだけど急用で来れなくなっちゃって」
『こちらの席どうぞ』
カウンター席に案内され、おしぼりを受け取りメニューを見る。
久しぶりに会ったAちゃんは少し髪が伸びていて、
髪色も暗めのダークブラウンになっていた。
店に入ってAちゃんと目が合った時、お互いぎこちなさがあって初めて会った時の様な壁を感じた。
それ程俺が来てなかった証拠なんだけど。
店主「本当ほくちゃんはよく来るね〜」
北「俺ここの常連なんで笑」
『北人くん最近毎日のように来てるよね』
北「Aちゃんに会うと疲れが吹っ飛ぶからね!」
『また適当な事言ってる笑』
北「俺はいつだって本気なんだけど〜笑」
1人会話から取り残されて、仲良さげに話すAちゃんと北人さん。
俺が1ヶ月くらい来てない間に北人さんは来ていたんだ。
おまけに前より2人の距離も近くなっていて、
俺の知らない間に2人は縮めていたんだ、なんて考えたらちょっと悔しくなった。
『今日は何にしますか?』
北「俺いつもので!」
『チキン南蛮定食って言ってください笑』
北「Aちゃんが分かってくれてるからいいのー」
『そうですね笑 樹くんはどうしますか?』
「…じゃあ一緒で」
『かしこまりました』
オーダーを通して、俺の隣に座るAちゃん。
内心驚きつつ、嬉しいと思った。
北「あれ、もう終わり?」
『そうです、今日はもう上がりですよ。ランチタイムも終わりですし2人が最後のお客さんです』
北「そうなんだ、ギリ間に合って良かった」
『樹くん久しぶりですね、元気してました?』
「あ、うん、元気だったよ」
『良かった、元気かなって心配だったので』
北「Aちゃんずっと樹くんお元気ですか?って気にしてたもんね」
「え?」
『北人くん!それ言わない約束です!』
もう!なんて言って少し俯きながら顔を赤くしてるAちゃん。
さすがに可愛すぎでしょ、なんてまた緩みそうになる口元を手で隠す。
北「2人とも隠せてないからな〜」
北人さんに言われてお互い顔を合わせれば
2人揃って口元を手で隠していて、
その姿にお互い思わず笑ってしまう。
さっきまで感じていた壁が
この一瞬でなくなった気がした。
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作者名:とん☆ | 作成日時:2019年6月13日 19時