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『送ってもらっちゃってすみません』
北｢いいのいいの、俺達が送りたかっただけだし。な、樹？｣
｢北人さんがでしょ｣
北｢俺はAちゃんと居たかったからね！｣
｢ほら、やっぱりそうじゃないですか｣
北｢あれ、樹はいたくなかったの？笑｣
｢…性格悪いっすよ｣
『樹くんごめんなさい、迷惑でしたよね…』
｢いや、全然迷惑じゃないから！寧ろ一緒にいれて良かったし…｣
北｢ほら、やっぱり樹も一緒じゃん｣
『本当に今日はありがとうございました、おやすみなさい』
北｢またね〜！おやすみ！｣
｢おやすみ｣
マンションに入ってくAちゃんの背中を見届けて、北人さんと帰る方向に歩き出した。
北｢Aちゃん可愛かったな〜｣
｢そうっすね｣
北｢家も意外と近いし、いつでも会えるじゃん｣
｢いつでもかは分かんないっすけど｣
北｢明日オフだっけ？｣
｢いや、午後から仕事ですけど｣
北｢あ、撮影あったか。じゃあだめかー｣
なにがだめかー、なのか分からないけど1人ボソボソと呟いてる北人さん。
その顔はちょっと険しくて、何を考えてんのかよく分からない。
北｢樹ってさ、Aちゃんの事どう思う？｣
｢は？いきなりなんですか｣
北｢いや、どう思ってんのかなーって｣
｢どうもなにも、まだ出会って浅いしなんも知らないんで｣
北｢でもデートした仲じゃん｣
｢いや、あれはデートってわけじゃ…｣
北｢男女2人で出掛けたのにそれをデートと言わずなんと言うの｣
｢北人さんは恋愛初心者かなにかですか？｣
北｢俺これでもモテてたからな！｣
｢モテてたのと恋愛経験は比例しませんから｣
北｢もうそんなのどうでもいいから！教えろよ！｣
｢って言われても…｣
俺がAちゃんと出会ったのは本当少し前の話で、
そこから会ったのも数回程度。
まだAちゃんの事なんて全然知らないし、どう？って聞かれても…
…ただ、行動とか、言動とかに嬉しくなったりして、さっきみたいに頬が緩みそうになったり、
急にまだ一緒に居たいと思ってしまったり、会えてない時も考えてしまってたりする。
｢これって、恋か…｣
北｢ん、なんて？｣
｢いや、なんもないです｣
北人さんに話すとなんか色々聞かれそうだから、今はまだ話すのは辞めておこう。
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作者名：とん☆ | 作成日時：2019年6月13日 19時
