恋愛時計【S.S】 (ページ6)

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６まるで二人だけの空間のような時間ページ6

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本当に心臓が止まった。

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本当に時が止まった。

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そして本当に恋愛時計が動き始めた音がした。

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途中からりさちんに腕をぐいぐい引っ張られてでてきたそこですぐ、目が合ってしまった。

「あ、見つけた(笑)」

悪戯な、少年のような笑顔に引き込まれてしまいそうだ。

「……どうして…？」

あたまが回らなくて、それしか言葉が出てこない。

隣でりさちんが、何か言ってるけどうまく聞き取れない。

「どうしてって、探してたからだよ。坂下Aちゃん(笑)」

金色っぽい茶髪で、耳にはピアス。

顔はほとんど見てないのに、一瞬で昨日の人だと分かった。

「……なんで名前知ってるんですか？」

「昨日ぶつかったときに、上履き見たからね」

かんがえればわかることなのに、考えられないほど頭が回らない。

なにもわからない。

「ちょっと話あるんだけどいいかな？」

昨日ぶつかったのにまともに謝らず挨拶もせず逃げたことについての話？

周りではなんであの子が知り合いなの？って顔したクラスメイトやほかのクラスの女子がいっぱい。

だけど、どれだけ今日私が変でも男子が苦手なのは変わらない。

「む、無理です！」

反射的に言ってしまったその言葉は、周りを凍りつかせてしまった。

「えっと…何か用ですか？」

凍り付いた空気にさすがの私でもこの状況がマズイことくらいわかる。

周りでさっきまでキャーキャー騒いでたみんなも固まってる。

何か、言わなきゃ。

「……きのうはすいませんでした！」

とっさに出てきた言葉。

だってこれくらいしかわざわざこの人が私のクラスにきてまで呼ぶ理由なくない？

「いや、それはいいからちょっと来て」

「え、あの……」

ちょっと強引に腕をつかまれて、１０組の横のだれも使っていない教室に連れてこられた。

普段は鍵が閉まってるのに、なんでこんなときだけ都合よく鍵が開いてるんだろうって疑問に思ったけど今はそんなこと考えている暇なんてない。

櫻井先輩は教室のドアを閉めて、その辺に置いてあった椅子を二つ出してくれたので、私も座ることにした。

……今すぐ、逃げ出したい。

「俺のこと知ってる？」

数秒の沈黙を、先輩は破った。