恋愛時計【S.S】 (ページ2)

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２センチメンタルページ2

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「A、毎回ごめんね」

出席番号順に振り分けられた掃除当番のグループの中で一人部活に所属していな私はゴミ捨てを頼まれた。

「これくらいいいって！みんな部活あるんだし！」

一年生のこの教室からゴミ捨て場までは、一番大きな校舎の端から端まで行くほど遠い。
みんなが部活っていうなら仕方がない。
私に部活と同じくらい大事な用事なんて存在しないわけだし。

本当は一か月に一回回ってくる掃除当番の週の、一週間に二回あるゴミ捨てが本当にめんどくさい。

「じゃあね、A。ゴミ捨てよろしく！」

「ホントありがとうね！助かるよ～～」

みんなには部活があるんだ。特にうちの学校の部活は本当に厳しくて、遅刻なんてしたらどうなることかって感じだから仕方ない。

「はあ、、、行こう」

もしも私が可愛らしい女子だったら、重たいゴミ袋が持てなくてクラスの男子が手伝ってくれたり、自分から頼んだりしてたんだろうけど、残念ながらそんなことはない。

重たくても、一人で行くのが私。

私のいる１０組から１組の隣にある階段までの廊下を重い足取りで歩く。

たまに。本当にたまにだけど。

一年前のことや、それまでの日々のことを思い出す時がある。

もう、向こうはとっくに忘れているはずなのにいつまでも忘れられないのはまだ好きってことなのかもしれない。

もう恋愛なんていらないと、高校生ながらにそう思っているのにやっぱりまだ未練があるのかもしれない。

でもきっと彼はそんな未練がましい私のことを

”A、そーゆーのめんどくせぇ”

なんて、いとも簡単に私の心に傷をつけていくんだ。

＿＿＿＿＿…なんてセンチメンタルなことを放課後の人にあふれた廊下で人の波に揉まれながら考えていると１組の隣の階段なんてあっという間だった。