恋愛時計【S.S】 (ページ1)

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１私の恋愛時計ページ1

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恋愛なんて、したくない。

そう思い始めたのはもう一年も前のこと。

私にとって恋愛は、答えなんてなくて苦しみ続けるもの。

．

あれは＿＿＿＿＿＿１年前。

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中学生だった私にとって悪夢のような現実を突き付けられた。

その日以来恋愛に対して、異性に対して、拒絶反応を起こすようになってしまった。

男子とも必要以上に話さなくなった。

いくら女子の間で騒げていても、そこに男子が一人でも入るだけで心のどこかで「好きになっちゃいけない」って思いがあって、私にブレーキをかける。

もう１年もそんな日々を過ごしてきたから、すっかり慣れてしまっていた。
女子だけでも生きていけるし、むしろ共学に行きたいと思っている女子校のひとと入れ替わりたいぐらい。

恋愛なんて苦しい思いをするだけ。

それならもう、恋愛なんて必要ない。

いつか、”恋愛時計”について聞いたことがある。

恋愛にも時間があって、なにをするにも恋愛時計のベルが鳴るまでに行動しなくちゃならない。

実際には恋愛時計なんて存在しないけれど、この話を聞いたとき私は妙に納得した。

私の恋愛時計は、行動するのが遅すぎて狂ってしまったんだ、って。

だけどそう気づいた時にはもう遅かった。
あまりにも恋愛に憶病になりすぎてた。

もう私の恋愛時計は、動かなくてもいい。

本気でそう思っていた。

周りの友達はどんどん学生らしい恋をして、付き合ったり別れたりを繰り返していて。

私はそんな友達を見て素敵だなとか、すごいなとか、ただ応援しているだけ。

いつもどんな恋を見ても私の恋愛時計は止まったまま。

だけど、薄々気づいてたの。

．

いつかは私の恋愛時計も動き出すことを。