シェアハウス時々、恋。２（ars）Nくん誕生日企画アリ。 (ページ16)

今日:9 hit、昨日:7 hit、合計:44,062 hit

ー０３ページ16

翔くんに、くそー！って言われて横で笑いながら車の停めてあるところへ着いた。

いつもみんな月極の駐車場を借りてるから、このウチの人の車なんて見たことない。多分だけど、車持ってるのは翔くんとハルとニノだけだ。

私と智くんは持ってない。

智くんなんて、免許すら持ってない。

潤くんと相葉ちゃんは免許は持ってると思うけど見たことない。だけど潤くんは車で仕事場まで行ってるって言ってたからきっといつもウチへ来るときもどこかへ停めてからきてると思う。

ブラックの一段とキラキラした車に案内されて、助手席に座る。

翔くんが出発したところで嫌味を言ってみた。

「あーあ、今日すっごい楽しみな日だったのに翔くんのせいで台無し」

翔「は？俺喋りかけただけじゃん！」

「いくら家ではイジラレヘタレキャラだとしても、外へ出たら仮にも櫻井翔はすっごいイケメンの人気のある大学のアイドルなんだから…自覚…」

翔「してたつもりです(笑)」

「じゃあ今日私に話しかけてきた時の私の友達含め周りにいた初対面の人たちのこと見た？」

翔「みたよ？可愛い子探してたけど見つかんなかったわ(笑)」

「もう！私の友達狙わないでよ～～(泣)」

シェアハウスに帰ったらこんなキャラじゃないのに。くそー！翔くんめ！

翔「Aちゃんもうお昼ご飯食べた？」

「まだだけど…」

翔「なんか俺のせいでめっちゃ落ち込んでるみたいだから奢ってやるよ」

「え！……ありがとう」

奢ってくれるのが嬉しくて、喜んだんだけど、そういえばさっきまで落ち込んでたんだわって気づいて、ありがとうって言葉がすっごい低く出た。自分でもびっくりするぐらい。

翔「嬉しいくせに～～。素直に喜べばいいじゃん？」

「……」

翔「なんか言ってよ(笑)」

「……ありがとう」

シェアハウスに来るまえは、みんなの憧れ！みんなのアイドル！な女遊びの激しい櫻井翔先輩ってイメージが強かったんだけど。

どうやらそうではなかった。

ヘタレでよくいじられてよく笑うそしてよく相談に乗ってくれる優しくて穏やかなイケメン、櫻井翔先輩だ。

こんな馴れ馴れしく話せるようになったのは、もう私が翔くんのこと信用してるからなのかな。

そんなの分かんなくても、この距離が一番楽しい。

そんなことを考えながらジッと見てるのに気づかれて、目が合った。