きゅーと(4.19) ページ14
in side
「可愛い顔して!」
カメラマンさんからのリクエスト。
可愛い顔ってどんなんだろ。
んー
よく分からないから、はちゃめちゃ笑ってみたけど、違うみたいで「はい、おしまいです」っていつまで笑ってても、言ってもらえなくて、だんだん焦って来る。
可愛い顔。可愛い顔。
んーんー
「慧ちゃんはもうすでに可愛いから大丈夫」
「慧ちゃん可愛いよ」
「最強に可愛い!」
カメラマンのうしろに立ってる裕翔が、両手を万歳して大きく振りながら叫んでる。
さっきまで一緒に撮影してた裕翔。
背が高くて、イケメンで、にこにこしてる裕翔は、やっぱり王子さまみたい。
ぼわんとして来て、裕翔の頭に王冠が見えて来る。
きっと、上手に馬に乗って女の人にモテモテなんだ。
なのに裕翔王子は、不器用で馬にも乗れないお兄ちゃんを大切にしてくれて、一緒に馬に乗せてくれたり、パーティーに行っても、人見知りなお兄ちゃんのそばを離れないでいてくれる。
伊「ゆーと、ダンスして来たら?みんな、裕翔に誘って欲しいんだよ。チラチラ見てるもん」
中「そう?みんながチラチラ見てるのは、慧ちゃんの事だと思うよ。だって可愛いんだもん」
伊「もぉー」
俺より背が高く成長して、俺の事を“慧ちゃん”って呼ぶようになったのに、甘えるような言い方をされると、ついつい甘やかしてしまう。
俺にダンスに誘って欲しいなんて女の子はいるはずがない。
居たとしても「次は弟君と」ってのが、過去に何度も体験したパターンだ。
だけど、女の子にモテないなんて、悲しくない!
人見知りで、夜は早々に寝たい俺がパーティーになんか出る理由は、ひとつしかない。
美味しい料理!だ。
毎回、世界各国の料理が並ぶなんて、幸せすぎる!
しかも、毎回、凄く美味しいんだから。
中「慧ちゃんダンスしようか」
伊「俺!?むっ無理だよ。恥ずかしいよ」
中「テラスに行ったら誰も見てないから」
伊「・・・ダンスできないもん」
ステップなんか全然、覚えられなくて早々にギブアップしたダンス。ステップをあっという間に覚えた裕翔と踊るなんて、無理すぎる。
なのに手をつながれてテラスに出て、そっと背中に手を回されて、ゆっくり身体を揺らしはじめた裕翔。
中「ゆっくり揺れるだけ」
伊「んっ」
中「じょーず」
本当にゆっくり揺れるだけのダンスは、俺にもできる。
裕翔の肩におでこを乗せて、ダンスを楽しむ。
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昨日(プロフ) - けーままさん» コメントありがとうございます!ゆーとの王子さまキャラ(おばか)は、永遠です😆 (4月29日 9時) (レス) id: 8e12f8e7ab (このIDを非表示/違反報告)
けーまま(プロフ) - 想像力豊かな慧ちゃんの妄想がかわいくてキュンキュンしました(*^^*) (4月20日 0時) (レス) @page15 id: 3a21aa44cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:昨日 | 作成日時:2024年3月21日 9時