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「つまり、さ」


『はい』


「俺は、元の世界の平行線上に存在する、
今まで居った所と、そっくりの場所に転送された」


『はい』









勝手に、広いダイニングテーブルで、
冷蔵庫の冷凍パスタを、もそもそ食べながら
目線の先のno8をフォークで指し、整理する。









「俺は今、ホテル王のドラ息子の、えっと」


『山村直樹さんでス』


「そうそう、それ。
それで、Aも同じように転送されてるみたいで
色々書き換わってる。本人の頭も」


『はい』


「せやから、俺とAが帰るためには
書き換えた奴を見つけなあかん」


『そうでス』


「その為にまず、Aが
俺の居った世界のAか、確認せえへんとって言う」


『はい』


「……いやあ、無理やろ」


『諦めては行けまセん。このno8が付いていまス』


「大丈夫か〜?それってさあ」









あんまりしんどくて、ミートソースに顔をうずめそうになる。









テーブルの上に置いたスマホ一つと、
やたらに作り込まれた類似世界を生きるなんて
荷が重くて仕方ない。





黒いプラスチック容器の底を混ぜて、窓を見る。





ここから見える夜景は、大して変わらへんのに
テレビに映し出されてるのは、
半分以上も知らん人で、寂しい。

知ってる人も名前が違ったり、職種が違ったりした。




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作品ジャンル:SF
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ひるた(プロフ) - このような文章形態のお話、大好きです。首を長くして更新を待っております。文章がもう…ド性癖です。なにかの作品の影響を受けられたのでしょうか…? (2023年1月16日 2時) (レス) id: d618c40589 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうみ | 作成日時:2020年2月12日 21時

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