1. 五年という年月が壊したもの【緑】 ページ1
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一年経った。一周忌とも言う。
俺らは彼女の姉に挨拶され、会場の中へ入った。
何度も何度も会場を見渡す。
葬式の時と施主の変わった法要に、その姿はなかった。
「居らんな、やっぱり」
「節目やから来てはると思うたけどな」
村上さんの呟きを、慰めるようにヤスが言葉を続けた。
俺らの頭の上を、お経が通り過ぎていく。
もう皆、泣きはしない。
全部終わってしまって、泣けないことがもっと悲しい。
………
大倉くんへ
昔から大倉くんの優しさに助けられてたよ。
いつも二人で一緒に笑ってばっかだったね笑
背中押してくれた大倉くんに感謝してるよ!
改めて、今日は来てくれてありがとう〜!
あだ名変換より
Aの結婚式の時に席に置いてあったメッセージカード。
法要から帰ってきて、スーツも脱がないまま、俺はそのカードを見ていた。
これを見ると、すべてが昨日のように思い出せる。
世間は過度にこの公然の秘密を噂し、持ち上げ、Aを悲劇のヒロインとして神格化している。
俺はそんなAなんて知らない。
知る訳がない。
俺が知ってるのは、メンバーとしての、昔からの仲間としての、兄弟としての、複雑な感情の相手としてのAだけであって、死んだ受難の元アイドルの女の人やない。
それだけの話。
Aに起こったことは全部後聞きで、どこまでが正しいのかなんて分かれへん。
間違っていてほしいことが多い。
でもきっと合っている。
合ってへんかったら、こんなことになってない。
捨てたいそのカードを、破こうとして破けずにネクタイを緩めた。
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ゆうみです。(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。頑張りますので、また是非感想お聞かせください！ (2021年2月25日 0時) (
レス) id: 5c740a0654 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 新作ありがとうございます。楽しみにしています！ (2021年2月24日 14時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2021年2月8日 14時
