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君がくれた笑顔で笑いたい ページ41
君がくれた笑顔で笑いたい【A】
「だって誰も笑わへんかってんもん。
私が家に来るって話になったり
向いに来た人みーんな苦い顔やったもん。
でも、ママは、ママだけは、
笑っててぎゅーってしてくれて……、
いや、なんか、言葉にすると、アレなんやけど」
「そっか。………そうね……」
妙に納得したような顔で、ママが頷いた。
「改まると恥ずかしい」
「今更何言ってるの。こんなドラマ撮ってるのよ」
「そうやけど」
ママは、やっぱり笑った。
我が母ながら、美しい。
現場では、ずっと二人で居た。
こんなに喋るのは久しぶりだ。
それこそ、引き取られてすぐと同じ位かもしれない。
撮影中の公演にママが来てくれた。
MCでも皆が触れたので、手を振らざるを得なかった。
不可抗力。
本当に嬉しそうに、私の団扇を持っていた。
しかも自作。
ちょっと面白い。
表が名前で、裏が「こっち見て」。
見るよ。見てるよ。見たよ。
呆れるくらい笑ってしまった。
後で聞いたら、公式の団扇も買っていた。
………え？ 物販に……並んだのか？
怖くて聞き返せなかった。
ドラマ放送まで、あと少し。
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作者名：ゆうみ | 作成日時：2020年2月27日 11時
