冷たい光の中へ (ページ3)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:4,886 hit

3 ページ3

そして迎えた4月。横山さんが営業課に戻ってくる。横山さんと久しぶりに会う。私は昨日の夜から緊張していた。

村上さんが営業課の皆を集めた。そしてその村上さんの隣には横山さんが立っていた。

「今月から営業課で頑張ってもらう横山や。前も営業課におったんやけど、一回メーカーに異動になって、また戻ってきてくれたんや。ほな一言挨拶どうぞ！」
「横山です。よろしくお願いします」
「なんや！それだけかいな！久しぶりに会うた部下もおるのに！まぁー後でゆっくり話したらえぇーわ。ほな皆よろしゅうな」

村上さんから紹介があって横山さんも挨拶したけど。相変わらずだな。全然しゃべんない。
りさも同じことを思っていたみたいで、変わってないね、と隣にいた私に声をかけた。

横山さんの紹介が終わってから皆それぞれのデスクに戻り、それぞれの仕事を再開する。横山さんのデスクは私の斜め右前。向かいあった状態だ。

久しぶりに会い、久しぶりに一緒に仕事をするということで、左隣にいるりさに声をかけ、簡単に挨拶をすることにした。やっぱりこれは社会人としての礼儀でしょ。

挨拶に行こうと言い出したのは私なのに、やっぱり緊張してしまい、りさから挨拶してもらうように頼んだ。なんでよ！(笑)と言いながらもりさから声をかけてくれた。

「横山さん、お久しぶりです。りさです。覚えてますか？」
「おぅ。久しぶり。そりゃ覚えてるで。Aも」
「あ...お、お久しぶりです...また、よろしくお願いします」
急に横山さんに私の名前を呼ばれびっくりしてしまい、しどろもどろになってしまった。一発目の挨拶から恥ずかしい。
緊張しすぎでしょ、なんてりさにからかわれ、別にそんなしてないし！と反論するもさらに恥ずかしくなる。

「俺が抜けた間にいろいろ変わってると思うから、またそん時はよろしくな」
「はい。分かりました」

りさは横山さんに苦手意識は持っていないから、普通に挨拶を済ませ、私と一緒にデスクに戻った。デスクに戻ってからもりさは笑いを必死にこらえているようだった。