心臓を貫くのは【朔間凛月】 (ページ5)

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「ふ…んぁ……」

Aに手を引かれ寝室へと移動してきて、Aをベッドに優しく押し倒しお預けを食らった分少しだけ強引に唇を奪った

唇を離す度に俺の名を呼ぶAを凄く愛おしく感じる

服を脱がそうとした時、手を止められた

「やっ、恥ずかしい…凛月くんから、脱いで…？」

俺は男だし、上半身脱ぐくらいなんて事無い
Aの上に跨りながら彼女の指示通り上着を脱いだ

「これでいい？」

「凛月くん、綺麗…」

Aはうっとりとした瞳で俺の身体を見て、鎖骨にキスを落とした

Aは鎖骨から首筋へと唇を這わせ、耳元で

「頂きます」

と言った

その言葉を理解する前に、首筋に痛みが走った

「いっ……！！」

「うわぁ、何これ…不味い」

「ちょっとアンタ、何してんの」

痛みと共に俺は一気に現実に引き戻された
何をしていたんだ、俺は…

「お水お水……うげぇ……」

Aは苦そうな顔をしながらベッドから洗面台へ向かった

人に噛み付いておいて、不味い？
しかもその態度なに？
底知れぬ怒りがふつふつと沸いてきた

「ちょっと、人の話聞いてる？」

「んー？あぁ、ごめんね凛月くん不味くて」

「はぁ？」

「もしかして、凛月くんも吸血鬼なの？」

前に本で読んだことあるんだよねー、など言いながらしれっととんでもない発言をしてきた

「Aは…吸血鬼、なの？」

「うん、そうだよ」

さっきまでの可愛らしい作られた彼女の表情とは違い
妖艶な、鋭い目付きをした吸血鬼が満月を背に俺に向かって笑いかけた

「はじめまして、凛月くん。これからよろしくね」

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