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恐怖で体は震えているが自分で思うより頭は冷静だった。
まずは母の担当医にこのことを伝えなきゃ。私の家を知ってるくらいだ、母の病院のことも知られてておかしくはない。
母がお世話になっているお医者様はもう10年以上の付き合いになる。優秀な女医さんで、母が帰省している時に万が一があってはいけないと連絡先をくれた優しい方だ。
着信を入れてみたが仕事中なのだろう、折り返しを待つことにした。
「なぁ、これからどうするんだよ」
『…どう、しようね』
非通知は着信拒否にした。けど家は知られているわけだし、1人での外出を控えると言っても限度がある。そもそも会社を休み続ける訳にもいかない。
「もう一回聞くけどよ、ケーサツには行かねェんだな？」
『……うん』
「なら仕方ねェな。
俺がお前のこと守って、犯人も捕まえてやる」
自信満々ににしし、と笑う彼に声も出なかった。
彼は良くも悪くも楽観的だが、いつだってこんな冗談は言わない人だ。
確かに、私にはあまり頼れる友達がいないし一番手っ取り早いのはそうなんだけど。
『…エース、話したよね？ストーカーに遭ってたのは母だけど殺されたのは父なんだよ？写真にエースも写ってた。
エースだって、狙われてるかもしれない…！』
「そいつァ好都合だ。探す手間が省ける！」
『そうじゃなくて！』
あぁ、なんかすごく胸が苦しい。鼻がツンとなって喉の奥がきゅぅっと閉まる。
なんか精神ぐちゃぐちゃだ。
「え、えぇぇ…！なんで泣くんだよ、俺そんなまずいこと言ったか？」
『…うぅ…やだぁ…いなぐ、ならないで…』
「いなくならねーよ！こんな状態のお前放ってどっかいけるか！」
私の父は強い人だった。
学生時代から空手を極め日本一になった上、卒業後は世界大会にも出場する選手だったそうだ。私が産まれてすぐ現役を引退し、サラリーマンとして働いていたけど現役時代は世界でも名の知れた選手だったそうだ。
幼いながらに父の試合の映像を見て屈強な相手を軽々と倒していく父の姿はかっこよかったし、そんな父がいれば何が起きようと大丈夫だと本気で思っていた。実際周りの大人もそう思っていたのだろう。
_A！パパがいるからな〜！なんにも心配する事ないからな！
エースはどことなく父と同じ系譜を感じる。
自分は強いという自信、鍛えられた体と明朗な笑顔、そして私に向けられた愛情。
もう大切な人を奪われるのはたくさんだ。
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葵(プロフ) - めりーさん» めりー様コメントありがとうございます。全部ありがたいお言葉すぎて感涙です…！今後とも楽しんで読んでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月13日 9時) (
レス) @page32 id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - 続編行くんですねっ！😆✨とても大好きで読ませてもらってます！文才がすごくて憧れます😌🙏💫応援してます🔥ꉂꉂ📣 (2023年3月11日 22時) (レス) @page46 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココ様！前作に引き続きコメントありがとうございます。笑っていただけて光栄です笑。これからの展開もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします。 (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様コメントありがとうございます。応援とても励みになります。これからもよろしくお願い致します！ (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵様こんばんは。新作早速一気読みしてしまいました´`* 私5話の｢あ。結構馬鹿だ、この人。｣が好きすぎてつい笑ってしまいました(笑) 夢主さんとトリップしたエースさんのこれからが楽しみで仕方ありません…!! 今作も応援してます (2023年2月25日 23時) (レス) @page5 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月23日 12時
