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青ざめるエースを横目に話を続けた。
『遺体が見つかったのはかなり時間が経ってからだった。遺体はかなり傷つけられていて左手の薬指はなかったって。当時の私は全てを理解することが出来なかったけどただただ怖かった。
ママはもう男性と話すことが出来ないし結婚指輪も怖くて付けられなくなっちゃった。思い出も全部奪われた。
私の家族はあの男の歪んだ愛で全てを壊された』
それを愛と本当に呼ぶのなら私はそんなものいらない。
両親から、祖父母から貰った愛をそんなものと同列にしたくない。
“愛”って本当はなんなんだろう。
エースと出会って、彼に惹かれて、不確かな答えを手繰り寄せようとした矢先に何故こうなるの。
当時のニュースには大々的に報道されたけど赤い封筒については世間に公表されていない。
最高裁で犯人に言い渡された刑期は15年と6ヶ月。もう釈放されている。
『…あの封筒をうちに入れたのは、あの男だよ』
「ッ…な、んだと…！？えっと、なら海軍…じゃなくて、ケーサツ？に言った方がいいんじゃ」
『…警察は信用出来ない』
ストーカー被害を訴えた時、父の捜索届けを出した時。
もっと早く動いてくれていればこうはならなかったんじゃないのか。警察の多忙さを考えれば妥当な対応だったのかもしれない。逆恨みと言われても仕方ないがそう思わずにはいられなかった。
それに、警察の捜査が母に向いては困る。こんな話を知れば母はパニックを引き起こすに違いない。
『…とりあえず、封筒開けようか』
「俺先見た方がいいか？」
『大、丈夫…一緒にいてくれるだけで助かる…』
ゆっくりハサミを動かし少し厚みのあるそれを開けていく。中には同じ大きさの紙が何枚も入っていて、取り出してみるとそれは予想通りのものだった。ただ、心臓を圧迫するような恐怖は想像を絶していた。
『ッはぁ…はぁ……っひ……はぁ…』
「Aッ！」
呼吸が乱れる私の肩を抱き、背中を優しくさするエース。
大量に写った自分の写真。全てに私が写りこんでいるが目線の向いているものは1枚もない。母はこの恐怖に耐えて私の前で気丈に振舞っていたなんて。
朝の出勤時、スーパーからでてきた瞬間、駅前を歩く姿、
「これ、この前の」
エースと買い物をしている写真。これは他の写真と違い握り締められたような跡があった。
これで分かったことは、私の行動は把握されていること。
そして、エースの存在を知られているということだ。
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葵(プロフ) - めりーさん» めりー様コメントありがとうございます。全部ありがたいお言葉すぎて感涙です…！今後とも楽しんで読んでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月13日 9時) (
レス) @page32 id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - 続編行くんですねっ！😆✨とても大好きで読ませてもらってます！文才がすごくて憧れます😌🙏💫応援してます🔥ꉂꉂ📣 (2023年3月11日 22時) (レス) @page46 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココ様！前作に引き続きコメントありがとうございます。笑っていただけて光栄です笑。これからの展開もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします。 (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様コメントありがとうございます。応援とても励みになります。これからもよろしくお願い致します！ (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵様こんばんは。新作早速一気読みしてしまいました´`* 私5話の｢あ。結構馬鹿だ、この人。｣が好きすぎてつい笑ってしまいました(笑) 夢主さんとトリップしたエースさんのこれからが楽しみで仕方ありません…!! 今作も応援してます (2023年2月25日 23時) (レス) @page5 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月23日 12時
