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ピンポーン
私なにか荷物頼んだっけ。お隣さん？最近うるさいんですけどって文句言いに来たとか。
いや、荷物なんて最近頼んでないし角部屋のうちのお隣さんは温厚な老夫婦だ、そんなことする人じゃない。
こんな時間に誰だよ一体。
押されたインターホンに反応したモニターを確認してみる。
そこには薄暗い廊下だけが映し出されている。
人影のひとつもない、ただの不気味な廊下だけだ。
え…？
念の為ドアスコープから外の様子を覗いてみるとモニター同様誰一人いない廊下が視界に入った。
背筋がピシッと凍りつき肌が粟立つような寒気が襲った。
「A？どーした？」
ご飯を食べ終えたエースが食器を片手に呆然と立ち尽くす私を気にかけた。
その声に我に返りなんでもない、とだけ返し、戻って残ったたまごかけごはんをかき込んだ。
ただのイタズラか。それかお隣さんを訪ねてきたのに間違えて押しちゃったとか。
…まさか、ないよね。
それからは頭を支配されたようにそれ以外のことは考えられなかった。
髪を乾かして、エースがシャワーから上がってくるのを待っている間、テレビを流しながらTwittarやInztagramを行き来してみるが何も頭に入らない。
さっきのインターホンも非通知電話もイタズラじゃなくて…
もし、同じ人間だったら？
一度引いた鳥肌が再び全身を包む。
もし本当にそうだとしたら住所も私の携帯番号も知られていることになる。そんな知り合いいたっけ。うち知ってるのなんて凛ちゃんくらいだけど、電話番号なんて凛ちゃんすら知らないだろうに。
「上がったぞー髪乾かしてくれ…A？」
『…ん、乾かすね』
平常心、平常心、と心で唱えれば唱えるほどに黒々としたものが混ざりこんできた。
乾かし終わって、ドライヤーを片付けるとテレビを見ている彼の隣に座る。画面に映る恋愛ドラマを興味あるのかないのか分からない目でぼーっと眺めている。
無性に人肌が恋しくなった。
ぴとっ
「！？え、A、ど、どうした？」
『…ちょっとだけくっついててもいい？』
「お、おぅ…」
触れたところから伝わる体温は人並みより温かい。体温高いんだな、と思うと少し不安感が和らいだ。
自分から男の人に触れるなんて今までの人生考えられないな。
「…嫌だったら言えよ」
『へ？』
一回り大きなエースの左手が私の右手を包むように握った。
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葵(プロフ) - めりーさん» めりー様コメントありがとうございます。全部ありがたいお言葉すぎて感涙です…！今後とも楽しんで読んでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月13日 9時) (
レス) @page32 id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - 続編行くんですねっ！😆✨とても大好きで読ませてもらってます！文才がすごくて憧れます😌🙏💫応援してます🔥ꉂꉂ📣 (2023年3月11日 22時) (レス) @page46 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココ様！前作に引き続きコメントありがとうございます。笑っていただけて光栄です笑。これからの展開もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします。 (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様コメントありがとうございます。応援とても励みになります。これからもよろしくお願い致します！ (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵様こんばんは。新作早速一気読みしてしまいました´`* 私5話の｢あ。結構馬鹿だ、この人。｣が好きすぎてつい笑ってしまいました(笑) 夢主さんとトリップしたエースさんのこれからが楽しみで仕方ありません…!! 今作も応援してます (2023年2月25日 23時) (レス) @page5 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月23日 12時
