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忍び足で近づいたことも忘れドタドタと1度家を飛び出し、もう一度鍵をかける。
家を間違えた？いやそんなわけない、鍵も部屋番号もあってる。
親戚とかが来た？いやそれこそない。そもそも少ない親戚の中に連絡もなしに来るような人はいないし、合鍵だって誰にも渡していない。
ふ、不審者…！？
これは警察に通報するべきか。ちょっと待て、一旦落ち着け。冷静になるんだ、深呼吸…
驚きすぎて飛び出してきちゃったけどあの人そういえば怪我してた…？なんか血が出てたような。
え、ちょっと待って。
『し、死んでるとかないよね…？』
うちが殺害現場になってるとかそんなことないよね。
私殺人犯にされたとかそんなことないよね。
今日はどうしてもネガティブ思考にしか考えが回らず私の頭の中で状況は悪い方へと転がり落ちていく。
てことは密室殺人じゃん。鍵もってるの私だけじゃん。え、待って。本当に待ってくれ。ありえないってこんなこと。
いや、まだ死んでると決まったわけじゃないし。怪我も見間違いだったかもしれないし。というかなんなら全部疲れが見せた幻覚かもしれないし。
震える手と五月蝿い心臓の音を無視して、もう一度鍵を回し開ける。
ゆっくりと扉を開くとさっきの影は消えていた。
『……ッはぁぁぁ』
長いため息を吐くも心臓の速さは未だ早いままだった。
なんだ、やっぱり見間違い？私相当疲れてんな、お酒飲まないでもう寝よ。
とはいえ警戒心はまだ残っていて電気は付けずにビクビクしながら部屋に入っていく。
今朝割ってしまった鏡が床に散らばっている。遅刻しそうで帰ったら片付けようと放置してたっけ。もしかしたら鏡が何かを映してそれがそう見えたのかもしれない。
そう自分に言い聞かせながら無惨なその破片を大きなものから集めようとした時、あるひとつの欠片に気づき、サッと血の気が引いた。
これ、血がついてる。
嘘。私怪我なんてしてなかったよね。いや、どっか怪我してたかも。でもこんな血が出た記憶ないし。ていうかよく見たらこの血、床にも垂れて
「なぁ、あんた」
心臓も脳の機能も呼吸も全てが一気に止められたような感覚。
瞬きも髪の毛の1本でも揺らしたら殺されてしまうと本能が叫んでいる。
聞いたことの無い男の声、いるはずの無い自分以外の足音。
ついに目の前にしゃがみ込まれ目が合った時には私は体の震えに耐えきれずその場に崩れ落ちていた。
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葵(プロフ) - めりーさん» めりー様コメントありがとうございます。全部ありがたいお言葉すぎて感涙です…！今後とも楽しんで読んでいただけるように頑張りますのでよろしくお願いします！ (2023年3月13日 9時) (
レス) @page32 id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
めりー(プロフ) - 続編行くんですねっ！😆✨とても大好きで読ませてもらってます！文才がすごくて憧れます😌🙏💫応援してます🔥ꉂꉂ📣 (2023年3月11日 22時) (レス) @page46 id: 4d1819db53 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココ様！前作に引き続きコメントありがとうございます。笑っていただけて光栄です笑。これからの展開もぜひ楽しんでいただけると嬉しいです！今後ともよろしくお願いします。 (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» 十六夜紅葉様コメントありがとうございます。応援とても励みになります。これからもよろしくお願い致します！ (2023年2月26日 7時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵様こんばんは。新作早速一気読みしてしまいました´`* 私5話の｢あ。結構馬鹿だ、この人。｣が好きすぎてつい笑ってしまいました(笑) 夢主さんとトリップしたエースさんのこれからが楽しみで仕方ありません…!! 今作も応援してます (2023年2月25日 23時) (レス) @page5 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年2月23日 12時
