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しばらくして落ち着くとサボは袖でぐっと涙を拭った。
「こんなつもりじゃ、なかったんだけどな」
『こっちのセリフだよ。まずサボが生きてるなんて思わなかったもん』
「そりゃそうだ」
ハハッと笑うサボの笑顔は昔と何も変わらなかった。
それにしても、随分と紳士に育ったものだ。
エースやルフィとはまた違った成長を遂げていてお姉ちゃんびっくり。
サボの話を聞くと、彼は今革命軍のナンバー2にまで上り詰めた幹部なんだそう。昔からだけどエリートすぎる、この子。
彼も彼で逞しく育ってくれていて嬉しかった。
「アイリンは天竜人に売られてたんだろ。そっから逃げて白ひげの船に乗ったって記事で読んだ」
『正確に言えば売られ回されてたどり着いた場所のひとつがそこだっただけだけどね。
何回死のうと思ったか数え切れないけど、今はあの時死ななくてよかったと思ってる。死なずに生きた私を褒めてあげたいくらいその後の数年間は幸せしか無かった』
「アイリンが幸せなら良かったよ」
そしてひと呼吸おいてサボは低くなった声を震わせて言った。
「なぁアイリン、好きなタイプってどんな人？」
『ふふ…私の好きなタイプは、大人っぽい人だよ。
サボみたいな、優しくて、紳士な人』
「アイリン…こんな時に言うことじゃないのは分かってるけど…
俺はずっと昔から、アイリンのことが好きだよ」
そう、約束通りの言葉はまっすぐ私を射抜いた。
大きくなったサボは言うならば私のタイプそのものだった。元から綺麗だった顔もキリッとした端正な美男子に育った。
『あと数年早ければ即答でokしてたかなぁ』
「…エースに負けたか」
『私もまさか好きになる人が理想とは真逆の人になるなんて、タイプなんてどうでもよくなる程惚れちゃうなんて、思わなかったの。
だから、ごめんね』
「…エースのことは忘れなくていい。俺だって忘れられないからな」
『ふはっエースの前で堂々と奪おうとするなんて大胆だね。
私が本当にサボを好きになって、付き合いたいと思ったらエースは許してくれるだろうなぁ。相手サボだし。
でも…やっぱり私の隣はエース以外考えられないなぁ』
テンガロンハットを被り、不敵に笑うエース。
パッと花が咲いたように無邪気に笑うエース。
私を抱きしめて愛おしそうに微笑むエース。
思い返せば笑顔の絶えない日々だった。
そんな日々を、エースを私は今でも愛してる。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
