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3ヶ月も眠っていたおかげで怪我はもうすっかり治り、体は普通に動かせるように回復していた。
ただ、右目と右手がない生活にはまだ慣れず少しづつ違和感が自然になるまではできるだけマルコやイゾウと行動するようにした。
そしてさらに3ヶ月がたち、エースたちがこの世を去ってから半年が過ぎた。
長かった髪は肩にかかるくらいまで切り、顔の右側は髪で隠すようになった。もう右は何も見えないし傷を隠すのにちょうど良い。
利き手の無い生活にもだいぶ慣れ1人でも動けるようになった頃、私はようやく彼らに会いに来れた。
『……あれ…？』
エースとおやじの墓の前に誰かが座っていた。
黒い服に柔らかい金髪が風に揺れている。
あんな人、クルーにいたっけ？
ゆっくり近づいていけば、足音に気づいたのかその人物が振り返った。
「アイリン…？」
私の名前を知ってるの？
その男は立ち上がると片手にシルクハットを携えこちらに近づいてきた。
シルク、ハット…
トサッ
エースと親父に持ってきた花束を思わず落としてしまった。そのくらい、手の力が抜けた。
だって、なんで…
エースは死んだって、言って………
『さ、ぼ…？』
「アイリン、久しぶりだな。生きててよかった…！」
優しく抱きしめられるが脳内処理が追いつかず何も考えられない。
あのサボが、生きてる…？
エースより少し身長はさほど変わらないだろうか。優しい顔つきと品の良さはあの頃のまま。
呆然としたまま言葉が出ない私にサボは今までの経緯を教えてくれた。
「エースが死んだっていう新聞を見た時、アイリンも消息不明って書いてあったから心配だったけど、よかった…生きててくれて、ありがとう、アイリン」
『サボの方こそ…私、エースから死んだって聞いて…もう……』
「ごめん、ごめんな。アイリンたちのこと忘れちまってて。エースにも、生きてる間に会いたかった」
会って欲しかった。
あなたとエースとルフィがまた3人で笑っている姿をもう一度見たかった。
二度とそれが叶わないことを思い出して奥歯を噛み締めた。
『……ッ……』
サボは私の頭に帽子を被せるとそのまま頭を引き寄せ優しく包み込んだ。
「アイリン、俺がそばにいるから。
好きなだけ泣いていいよ」
サボの温かい声がプツンと私の中の何かを切った。
戦争終結後、枯れ果てたはずの涙は弟たちの前でついに溢れ出したのだった。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
