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心臓…？
私を殺したいのだろうか、この男は。
それとも私の懸賞金目当て？
どちらも違う、と直感でそんな気がした。
「俺はある目的のために海賊の心臓を100個海軍に届けるつもりだ。
俺の目的のために死んでくれ」
気分が良さそうに口の端をつり上げる目の前の男はやはり海賊だ。問答無用で命を奪ってくるより幾分かましかもしれないが。
しばらく私が何も答えないでいると気が晴れたのか近づけた顔と手を離した。
「まァ、海賊相手に何でもするなんて言うもんじゃねェってことだ」
『……構わないよ』
「は？」
『今すぐ、とはちょっといかないけど』
次に驚いた目を見せたのは彼の方だった。
別に私は断ったつもりは無い。
ただ私は私の目的のために今死ぬわけにはいかない。
『私は死ぬために、もういつ死んでもいいように生きるって決めた。後悔の残らないように。だからあなたに会いに来たの。
そしていまはまだここで死んだら残る悔いがあるからそれが終わるまではあげられないな。
それを待ってくれるならあげてもいいよ。私の心臓』
もう半分以上も命を狙われてきた人生だ。
海軍に、政府に、賞金稼ぎ。何処の馬の骨とも知れないような連中に命を脅かされてはや10年ちょっと。
他人よりずっとこの命を奪われかけたことも多い。
別に誰にあげようとも思ってない命だけど、そんな奴らにくれてやるくらいなら弟の恩人の糧になった方が格好がつくというものだ。
『あー、それとね、別にあげてもいいけど私の心臓をとるなら、
兄たちに喧嘩を売る覚悟はしておいた方がいいよ』
「……渡す気ねェじゃねェか」
『いや？私は別にいいの、自分の命にそこまで価値を感じてないから。
でも私以上に私の命に価値を感じてくれてる人たちがいるんだよね。その人たちがどう動くかまでは責任取れないよって話さ。私のこと大好きだからねェ、うちのお兄様たちは』
「ンなリスクのある心臓は要らねェ」
男は帽子を深く被り直すとはぁ、と呆れたようにため息をついた。
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葵(プロフ) - ココナッツさん» とりかごも読んでいただいたんですね！嬉しい限りです！今後とも感動できるお話を届けていきたいと思っておりますのでこちらの続編も楽しみにしていただけると幸いです。応援のコメント本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2023年2月7日 21時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - 葵さん» お返事ありがとうございますっ 止まらない涙で文字を読むのに時間がかかりましたが…何度でも読み返せます。 今日鳥籠の方も拝読しましたっどちらも良いですね…私の涙腺が大変なことになってます笑笑 更新大変かとは思いますが、楽しみにお待ちしております！ (2023年2月2日 23時) (レス) @page33 id: a1f85287cc (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - ココナッツさん» ココナッツ様コメントありがとうございます。大分長い作品なのに一気読みしていただいてありがとうございます！私も泣きながら書いていたので泣いていただけて嬉しいです！今後の展開も楽しみにしていただけたらなと思います！ (2023年2月2日 20時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ(プロフ) - ワンピース大好きで、作者さんの作品を見つけた瞬間3日間ほどで一気読みしてしまいました笑 後半は泣きながら読みました…辛いけど私も夢主さんが生きててくれて嬉しいです…！ これからの行く末がとても気になります。更新大変だとは思いますが、応援してます！ (2023年1月31日 13時) (レス) @page26 id: 160792ee1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月24日 15時
