運命の炎の糸-3-【白ひげ海賊団】 (ページ36)

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「で、今日はイゾウも行ってきたんだろ？どうだったよ、アイリンちゃん」

「天使だった」

「うわぁ！？イゾウまでホワホワになりやがった！！」

マルコが気にかけているお嬢が一体どんな娘か、興味が無いわけではなかったが特別興味があるわけでもなかった。

男性恐怖症と聞いて、本当は今日どう接するのが正しいのか最初は分からなかった。だがアイリンも特段距離を取ろうとすることも無く、むしろ自分から距離を縮めようとしているのがわかった。同時に恐怖心がない訳でもないことも伝わってきた。

それでも自分から行動を起こそうとする健気なアイリンには少し好感が持てた。

マルコが気にかけている理由が少しわかった気がした。

しかも…

「あれはずるいだろ……」

「完全に不意打ちだったよい」

「俺の妹にする」

「俺の妹だよい」

「なんの話ししてんだお前ら」

「お前は知らなくていいよい」

「はぁ！？夕飯マメ入れるぞコラァ！」

「いいのか？折角お嬢から預かり物があったんだが…」

「はぁぁぁあ！？何それ！俺に！？！」

「あぁ、お前宛てだ」

サッチさんへと綺麗な文字で書かれたそれはさっき俺たちがナース室から出る時アイリンに渡すように頼まれたものだった。

「神さま仏さまイゾウ様その紙を私目にお恵みくださいぃぃい！！」

「マルコの夕飯からはマメ抜いとけよ」

「勿論ッ！！」

「ありがとよい」

「お嬢のためだ。頼まれたからにはちゃんと渡さねェとな」

涙を流しながら小さな紙切れを抱きしめるサッチを横目に2人は酒を流し込んだ。