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その話が耳に入れば隊長達もそれはそれは大笑いするもので。
「お前ら！笑ってんじゃねェよい！！」
「怒んな怒んな！さらに老けちまうぞ！」
「余計なお世話だよい！！」
「ほら、マルコ！海藻いっぱい食べろよ！海藻にはビタミンやミネラルが多く含まれてるからな、老化防止に」
「いい加減にしろよい」
はぁぁ…とため息を着くマルコ。言い返すのももう億劫だ。
俺が老けてるんだとしたら絶対原因はこいつらであることは間違いない。
そもそも俺は老けてない、と思いたい。写真写りが悪かっただけだ。
「あのお嬢さん、だいぶ良くなってきてるみたいだな」
「………あぁ」
「なんだ、その目は」
「…別に」
「俺だって別に好きで10も若く見られたわけじゃないんだぞ」
「分かってんなら抉ってくるんじゃねェよい！！」
こいつもか。
どいつもこいつも俺の周りにはろくな奴がいねェ。
今日はもう早く部屋に戻って寝てしまおうか。
そう思っていると、後ろからナースが声をかけてきた。
「マルコさーん！ってあれ、なんでそんな項垂れてるんですか？」
「あぁ、お前さんとこで可愛がってるお嬢にもっと歳が上だと思われてショック受けてるだけだ。気にすんな」
「お前はもうちょい気にしろよい！オブラートに包め！」
「あぁ、その話ですね！私も聞いてめっちゃ笑いました！
そんな傷心マルコさんにはこれを差し上げます！」
ドヤっと小さく折りたたまれた紙を俺に差し出すナース。
折り紙のように規則的に折りたたまれたそれはどうやら手紙のようだった。
「…なんだ、？」
「アイリンからのラブレターです！」
「「「ッはぁ！？」」」
「アイリンがまだ会うのは怖いからって自分から書いたんです。ちゃーんと返事書いてあげてくださいよ！」
よく見ると折りたたまれた1番上にはマルコさんへと小さな文字が書かれている。
なんでマルコが！
俺の方が若く見えるだろ！
老け顔のくせに！
なんてほざいてるバカ共は後で伸すとして。
記憶の中、最後にあるあの娘の記憶は怯える目で近づくなと体を震わせている姿。
たった小さな手紙ひとつ、こんな早くにもらえるとは。
案外嬉しいもんだな。
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作者名：葵 | 作成日時：2023年1月12日 8時
