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凍らされた皮膚が直に寒さを伝えてくる。
体の自由はもうなくなり、指先から感覚が薄れていくような気がする。
全身が凍らされても意識は保てるのか。いつまで保てるか、わかったもんじゃないけど。
「あ、いかんいかん。殺しちゃいけないんだった。砕き割るところだったぜ」
このまま捕まるくらいならどうぞ砕き割ってくれ。
殺す気がないにしては十分やり過ぎだろうに。
それに無理に逃げようと仰け反った状態で凍らされてしまったから少しでも衝撃が加わらば倒れて私は砕け死ぬだろう。
あぁ、寒い。痛い。冷たい。
外部からの攻撃がなくともこのまま頭のてっぺんまで冷やされていたら数分も持たないで凍死するだろう。
死ぬのかな。随分と呆気ない。
別に劇的な最後を望んでいた訳では無いけど、なんとも呆気ない最期。
さっきハンコックと約束したばかりなのに、守れそうにない。
守れない約束なんてするもんじゃないのに。
あぁ、意識が霞んできた。
もう寒さすら感じない。
人間は限界を迎えると冷えすら感じず、暑さを感じると言う。
あぁ、確かに。
氷が解けて陽だまりに包まれるような感覚。
最期を迎えるなら、エースにもう一度だけ…
必死な呼び声に固まったはずのまぶたを持ち上げると本当に氷は溶けていた。
本物の陽だまりのような彼に包まれていた。
『えー、す…？』
段々と鮮明になる視界の中、泣きそうなそれでいてさっきとは違う愛おしそうな顔で私を見つめる彼の顔。
まだ体の芯まで冷え切り動かないからだを彼は力強く抱きしめていた。
「ッごめん！！おれ、アイリンを1人にしてッ…！
お前こんな死にかけるまで戦って…ずっと隠してた正体もバレちまって…俺のせいで…！ごめんッ…！！」
ぺち
手のひらで彼の頬を叩いた。
あまりに弱々しくほぼ添えるだけになってしまったがその掌をエースは生温い涙で濡らした。
『これで…許したげる……』
「全然ッ痛くねェじゃねェか、馬鹿アイリンッ」
さらに涙を増やすエース。その涙は私の顔にも降ってきて私の頬に伝うそれに混ざりあって落ちた。
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葵(プロフ) - シベリア送りにすんぞさん» シベリア送りにすんぞ様ご指摘ありがとうございます。完全に見落としてました。修正しました！ (2022年12月28日 23時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - なこさん» なこ様前作に引き続きコメントありがとうございます！今後もきゅんきゅんしていただきつつ、頂上決戦の展開も楽しみにしていただけたらなと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月28日 0時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
シベリア送りにすんぞ(プロフ) - 素敵な作品のところすみません…オリジナルフラグたってます…！ (2022年12月27日 23時) (レス) id: 2d0c104609 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます！２人のいちゃいちゃに、またしてもきゅん♡させて頂きました！！頂上決戦ということは、やはり原作と同じ流れになるのでしょうか…結末も含めて物語の展開に、楽しみにしつつ、これからも応援しながら読ませていただきます！！ (2022年12月27日 22時) (レス) @page3 id: 1d7515ff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2022年12月27日 15時
