-33- ページ34
気づけばルフィたち空からの一行は先陣を切り先を走っていた。
途中参加のくせに私たちの戦場を先行するなんて、どこの誰の領地だろうと関係なく踏み荒らすようなあの子の性格は筋金入りらしい。
そしてその動きに毎回きゅんきゅんしているこちらの少女もなかなかの惚れ込みようだった。
『ッルフィ…！』
そんな先頭を走るルフィが殴り飛ばされるのが見えた。
途端にハンコックがいたはずの場所から突風が巻き上がり彼女もまた一瞬出先を走っていってしまった。
『は、ハンコック…？』
目がガチなんだが。
相手は海軍大佐、スモーカー。ハンコックの怒りを買ったな、ご愁傷さまです。
私も早くルフィの所へ…！
先程ハンコックに糸だけを器用に石化し砕いてもらった両手で雑兵をなぎ倒していく。
道が開けた、と足を早めようとした時、神様はそう簡単に私を進ませてはくれないらしい。
「行かせないよ〜？逃げネズミ」
『ッ黄猿…！！』
「まさかまだ生きていたとはねェ。お前のおかげでわっしは立場を追われかけたんだけど、どう落とし前をつけてくれるつもりだい？」
『結局追われてないじゃん。てか私の知ったことじゃないし』
黄猿のことは知ってる。
面識がある。
それは私のドレイ時代まで遡る。
私の飼い主はことある事に大将を呼び出していたが、それにほとんど応じていたのが黄猿だった。彼は私が何をされようと何処吹く風で私がそこに居ないもののように振舞った。
最初こそ抱いていた助けてくれるかもという期待を簡単にへし折ってくれた男だ。
彼ら海軍大将も広い意味で言えば天竜人のドレイだ。逆らうことは許されず、彼らの一言でどれだけ忙しかろうが出動命令が下る。
それでも私達のような本当のドレイとどうしてこんなに扱いが違うのか、悔しかったし、恨んでいた。逆恨みと言われればそれまでかもしれない。
それでも、同じ人間でありながら踏みつけにする人間とされる人間、それを容認し奉る人間がいることが心の底から恨めしかった。
「君のことも麦わらのことも天竜人様はとってもお怒りでねェ、悪いけど捕まってくれるかァい？」
『悪いなんて思ってもないこと言うなよ。
この悪魔が』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - シベリア送りにすんぞさん» シベリア送りにすんぞ様ご指摘ありがとうございます。完全に見落としてました。修正しました！ (2022年12月28日 23時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - なこさん» なこ様前作に引き続きコメントありがとうございます！今後もきゅんきゅんしていただきつつ、頂上決戦の展開も楽しみにしていただけたらなと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月28日 0時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
シベリア送りにすんぞ(プロフ) - 素敵な作品のところすみません…オリジナルフラグたってます…！ (2022年12月27日 23時) (レス) id: 2d0c104609 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます！２人のいちゃいちゃに、またしてもきゅん♡させて頂きました！！頂上決戦ということは、やはり原作と同じ流れになるのでしょうか…結末も含めて物語の展開に、楽しみにしつつ、これからも応援しながら読ませていただきます！！ (2022年12月27日 22時) (レス) @page3 id: 1d7515ff1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2022年12月27日 15時
