番外編・ゆく年くる年 ページ16
年の暮れ。
忘年会ということでみんないつも以上に酒を飲んでいる。俺もさっきまで潰れてたが、冷めてきた頃だった。
だが困ったことに今度は
『んふふ…えーす……』
アイリンが酔った。
彼女は酒が強く酔っ払ってるところなんて見た事なかったのに。
『ぎゅぅぅう』
「ちょ、ちょっと待て、アイリンさん？？」
『やぁだ』
あ“ぁぁぁぁああ！！かわ、かわいすぎる！！
正面から腕を回して首元に顔を埋めながら抱きついてくるアイリン。人前でこうも堂々と甘えることは滅多にないので周りの酔っ払いどもはここぞと囃し立てる。
が、今のアイリンは全く意に介さず、俺も幸せすぎてもうどうでも良い。
一生続け。この時間。
はむっ
「……ん！？アイリンさん！？」
『ん……』
アイリンは俺の首筋を噛み始めたのだ。噛むといっても甘噛みで全然痛くも痒くもないのだが、擽ったい。
え、何だこの状況。
「アイリンが珍しく酔ってるよい」
「お嬢は酔うと甘噛み魔になるんだ。そりゃしばらく解放されねェから覚悟しとくんだな」
アイリンは一旦首元から離れると今度は俺の腕を抱きしめるように捕まえると腕や指を噛み始めた。
小動物のような甘噛みに愛おしさが込み上げてくる。
あぁぁぁ……可愛すぎね、俺の彼女。
それからイゾウの言う通り俺はされるがまま肩に二の腕、鎖骨、背中まであらゆるところを噛まれ続けた。
現に今もまた腕を絡めて指先を甘噛みしている。
「そろそろ年が明けるぞー！」
「3！2！1！」
「「「あけましておめでとうー！！」」」
「HappyNewYear、アイリン！今年もよろしくな！」
アイリンは今度はおもむろにまた抱きついてきてそして
「ん！？」
今度は口に小さく吸い付き、柔く唇を噛んできた。
みんながいる前で彼女からキスをされるのは初めてだった。
全員の注目を浴びる中、小さなリップ音を立てて唇を離す彼女は少し酔いは覚めたようだった。
『Happy Birthday、エース。今年も私の傍で生きてね。
エースが産まれてきてくれて私は幸せだよ。ありがとう』
「！」
昔から俺の誕生日を1番に祝ってくれたのはアイリンだった。
今年もまた年が明けた瞬間、誰よりも早く祝ってくれた彼女に俺はもう一度キスを落とした。
「ありがとな、アイリン。大好きだ！」
『私も、大好きだよ』
今年も、こんな幸せな日々が続きますように。
そう願わずにはいられない年明けだった。
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葵(プロフ) - シベリア送りにすんぞさん» シベリア送りにすんぞ様ご指摘ありがとうございます。完全に見落としてました。修正しました！ (2022年12月28日 23時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - なこさん» なこ様前作に引き続きコメントありがとうございます！今後もきゅんきゅんしていただきつつ、頂上決戦の展開も楽しみにしていただけたらなと思います。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月28日 0時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
シベリア送りにすんぞ(プロフ) - 素敵な作品のところすみません…オリジナルフラグたってます…！ (2022年12月27日 23時) (レス) id: 2d0c104609 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます！２人のいちゃいちゃに、またしてもきゅん♡させて頂きました！！頂上決戦ということは、やはり原作と同じ流れになるのでしょうか…結末も含めて物語の展開に、楽しみにしつつ、これからも応援しながら読ませていただきます！！ (2022年12月27日 22時) (レス) @page3 id: 1d7515ff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2022年12月27日 15時
