検索窓
今日:24 hit、昨日:9 hit、合計:64,233 hit

ページ32

何事か、未だ理解できないままだが今度は何故かキッドに捕まったということはわかった。


そして距離の離れたローの顔が強ばっていくのもわかった。





「てめェなんのつもりだ、ユースタス屋」



「おぉ、怖ェ怖ェ。随分とこの女にご執心なんだなトラファルガー。てめェの女か」



「そうだ」



『違う』



「振られてんじゃねェか」





皺を寄せるローと嘲笑うキッド。

これは一体どういう状況?
そして私背中が彼の手にピッタリと張り付いたように動かないんだけどなんで。




『…ぅ、動けない…』



「女の力で磁石の力に勝てるわけねェだろ」



『磁石…?』



「トラファルガーのとこにいて俺を知らねェこたねェだろ、能力も」



『え、ごめんなさい』




なるほど、磁力の能力か。
私は帯の後ろに短剣を差していたからそれが引き寄せられたままらしい。


現象については理解したけど、この男の思考回路はやはり全く理解できない。


そしてキッドのことは本当に最悪の世代ということも名前しか知らない。ごめんなさい。





「へェ…ますます欲しくなっちまうなァ?」



『え』



「“Room”シャンブルズ!」




ぱっとまたローの隣に移動したのも束の間、磁力でまた振り出しに戻されてしまった。




「俺は海賊だ、欲しいと思ったモンは力づくで奪うまでよ」




てめェの惚れた女、俺が貰ってやるぜ




いや、何言ってんだこいつ。

なんて、考えている間もなかった。




大きな手で顔を掴まれ視線が会った瞬間。

その目はもう目の前にあった。















私の手のひら越しに。






「あ?」








『…こういうのは、好きな人とやりたいのであなたにはあげられないね』









別に女に興味はなかった。


どちらかと言えば惚れた女を奪われたトラファルガーの顔を見て見たいと言う興味だった。




細身だが筋肉もある女らしい体つき、透き通った瞳と鼻筋の通った綺麗な顔立ち。あの男が惚れるだけあっていい女だとは思った。



俺に捕まり、動けずに俺を見上げるその顔は男をくすぐるものがあった。俺は本能のまま避けられぬよう顔を固定するとその勢いのまま顔を近づけた。



が、口に当たったのは温もりはあれど唇とは思えない固さの肌。




キスを拒まれたことより、こいつの反射神経に目を剥いた。
そして次に俺を支配したのは恥ずかしげに目を逸らしながら言葉を吐く女の姿。









…興味なんざ無かったんだがな。

○→←終戦と開戦の宴



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (135 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
388人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 桜日和さん» 桜日和様コメントありがとうございます!どうくっつけるか迷いに迷いましたが無事2人を結ぶことが出来ました!今後ともこの作品をよろしくお願い致します! (2023年1月10日 14時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
桜日和 - コメント失礼します。おめでとう。彼女ちゃん。ロー。 (2023年1月7日 11時) (レス) @page36 id: ae0b8a4349 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - つばめさん» コメント再びありがとうございます!他のキャラとも少しですが絡むエピソードは考えていますので今後もお楽しみいただけたらなと思います!お読みいただいてありがとうございます!! (2023年1月2日 0時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - ローさすがキャプテン最高 次も楽しみにしています ルフィ,キッド達も皆自由に動いてしまいますから彼女とロー他のクルー達が揃えばココだけは有る程作戦や指示に従える人達ですので他海賊記載は難しいかもですが頑張って下さい (2022年12月29日 11時) (レス) @page27 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - つばめさん» つばめ様前作に引き続きコメントありがとうございます!前作では戦闘シーンが多かったので今作では色んなキャラと絡ませたりローと彼女ちゃんの絡みが沢山かけたらなぁと思ってます。これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2022年12月17日 16時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年12月6日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。