○ ページ22
さらに1週間が経つとだいぶ体の動きが馴染んできた。
体慣らしに手合わせに付き合ってくれていたペンギンくんやシャチくんにぼろ勝ちして泣かれる程度には力が回復してきた。
体力が足りてない部分はあるけどチンピラくらいなら返り討ちにできるだろう。
私の回復は早い方らしくローも驚きつつ喜んでくれた。
「まさかこんなに早くここまで回復するとは思わなかった」
『なんか不思議な感覚。前まで当たり前だったはずの動きができるようになってくの嬉しい…！』
「そりゃそうだろ。2年間動けない生活を送ったんだ。
傷痕も、治してやりてェが……」
足は完全に治ったとはいえ傷痕は残った。
改めて見返すと我ながら痛々しく派手な傷だと思った。もうとても綺麗な足とは呼べない代物になってしまった。
『…いいの。綺麗な足なんてなくても、
この傷は私がローを守った証拠だから！』
「……そうか、でももう俺のために傷つくなよ。俺が傷つけさせねェ」
『うん、ローが治してくれた足だもん、大事にする』
「…足だけじゃねェよ」
少し呆れ気味に頭を撫でてくれるロー。
その顔から読み取れる感情が擽ったくて思わず顔を逸らしてしまった。
…読み取れる、と言えばあまり良くないでは無いことを思い出した。
『……ロー、あのお侍さんのこと、どう思う？』
「侍……錦えもんのことか？」
『いや、もうひとりの……』
赤い長髪の彼のことは出会った時から読み取れなかった。
潜入に暗殺、なりを潜めることを生業にしてきた私が感じる嫌な感じ。皮をめくってもめくっても本体がみえないような感覚。
同業者の、匂い。
「どう思うって…過去から飛んできたって話にはさすがに驚いたが……」
『そうじゃないよ。
確証は無いから錦えもんさんには言えないし、ローにしか言わないけど
彼には気をつけた方がいい。そんな予感がする』
「！！」
感情を、考えてることを読み取ろうにも上辺しか読み取れない。読み取らせない。そんな私によく似たものを感じた。
ゾウを登象した時、その方法に“龍”を選んだ時私の疑念は深くなった。
あれだけカイドウに恨みもあり、その正体を知る侍が数ある動物の中で龍を選ぶだろうか。
彼がもし諜報員的な役を果たしているとしたら…
この極秘の作戦が筒抜けということは既に作戦が失敗してると言っても過言では無い。
私の思い過ごしだといいんだけど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - 桜日和さん» 桜日和様コメントありがとうございます！どうくっつけるか迷いに迷いましたが無事2人を結ぶことが出来ました！今後ともこの作品をよろしくお願い致します！ (2023年1月10日 14時) (
レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
桜日和 - コメント失礼します。おめでとう。彼女ちゃん。ロー。 (2023年1月7日 11時) (レス) @page36 id: ae0b8a4349 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - つばめさん» コメント再びありがとうございます！他のキャラとも少しですが絡むエピソードは考えていますので今後もお楽しみいただけたらなと思います！お読みいただいてありがとうございます！！ (2023年1月2日 0時) (レス) id: d6d31879de (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - ローさすがキャプテン最高 次も楽しみにしています ルフィ，キッド達も皆自由に動いてしまいますから彼女とロー他のクルー達が揃えばココだけは有る程作戦や指示に従える人達ですので他海賊記載は難しいかもですが頑張って下さい (2022年12月29日 11時) (レス) @page27 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - つばめさん» つばめ様前作に引き続きコメントありがとうございます！前作では戦闘シーンが多かったので今作では色んなキャラと絡ませたりローと彼女ちゃんの絡みが沢山かけたらなぁと思ってます。これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月17日 16時) (レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葵 | 作成日時：2022年12月6日 10時
