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しばらく2人泣きながらお互いの存在を確かめ合うように抱きしめ合っていた。
何年もあっていなかった彼女は随分大人っぽく見えた。もともと俺より3つ歳は上だし昔から姉のようなポジションにいたことは間違いないけど、短かった髪は伸ばされ、体つきも年相応のそれだった。
ただ、ひとつどうしても気になることがあった。
「アイリン、お前どうしてマスクなんてつけてんだ？風邪でもひいてんのか？」
俺の純粋な疑問に彼女は少し目を逸らし、悲しそうに目を細めた。
聞いてはまずかっただろうか。
「いや、話したくなきゃいいんだけどよ！」
『ううん、どうせわかる事だから』
アイリンはそう言うとマスクに手をかけた。
その目は不安げに揺れ動き、手も躊躇うように少し固まったが意を決したようにゆっくりとマスクを外した。
月明かりに照らされたその素顔に言葉を失った。
アイリンの顔には大きな傷があった。
口から頬を大きく一線ひくような、彼女の綺麗な顔とは全く釣り合わない不気味なほど綺麗に裂かれた傷痕だった。
『…私はあの日、みんなと別れてから売られたの。
所謂、ドレイってやつだね。何ヶ所か転々と売り飛ばされた。
このキズはその時につけられたの。
もう痛くないけどね、痕はどうしても残っちゃってね…』
アイリンは目をふせながら隠すように傷に触れた。
俺は気づけばその手を掴みアイリンを引き寄せていた。驚いた様子の彼女は零れんばかりに目を大きく見開いた。
「お前は、やっぱ綺麗だなァ」
月明かりに映されたその女はその月よりも、輝く海よりも美しかった。
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葵(プロフ) - なこさん» なこ様コメントありがとうございます！キュンしていただけて何よりです！エースとのお話、まだまだお届け出来ればなと思ってますのでこれからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2022年12月26日 8時) (
レス) id: c7e0276671 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - いつも楽しませていただいております！！ついにヒロインがエースに想いを伝えて♡キュンさせて頂きました♡♡♡これからも応援しています！！ (2022年12月25日 22時) (レス) id: 1d7515ff1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葵 | 作成日時：2022年12月4日 17時
